「Android」向けゲームの進化を望む人に朗報だ。少なくとも「Android 2.0」搭載の携帯端末では、進化が早まるかもしれない。
Googleは米国時間3月8日、「Android Native Developer Kit(NDK)」の第3リリースを公開した。この最新版「Android NDK r3」では、プログラマーが携帯端末のグラフィックス性能を直接利用できるようになっている。
Android向けアプリケーションは通常、一種のJavaプログラミング環境で実行する。これは、ハードウェアシステム間でのアプリケーション移植をより簡略化するための措置だ。しかし、NDKインターフェースを利用すれば、アプリケーションがJavaレイヤを経由せず、ハードウェアと直接やり取りすることもできる。そして、今回のAndroid NDK r3における大きな変更点は、標準のグラフィックスインターフェース「OpenGL ES」に対応したことだ。対応したOpenGL ESのバージョンは2.0で、最新の「iPhone 3GS」も同じバージョンをサポートしている。
AndroidのプログラマーDavid Turner氏は、ブログで次のように述べている。「Android 2.0以降を対象としたアプリケーションで、『OpenGL ES 2.0』の機能に直接アクセスできるようになった」
Android NDKがOpenGLに対応したことで、すでにOpenGLを利用してゲームを開発しているプログラマーは、Androidへの移植をより簡単に行えるようになり、ゲームのパフォーマンスの高さも維持できる。
しかし、この影響はゲームだけにとどまらない。Mozillaは、NDKを用いてモバイル版「Firefox」をAndroidに対応させる作業を進めており、同プロジェクトに関わるプログラマーのVladimir Vukicevic氏は、NDKのOpenGLサポートを歓迎している。
「OpenGL ES 2.0が公式にサポートされたことは非常に興味深い。われわれは近く、AndroidでのレンダリングをOpenGL経由に切り替える計画だが、(NDKが)ES 2.0を完全サポートしたことで、その実現がさらに早められるだろう」と、Vukicevic氏は電子メールでの取材に対して語った。「ES2.0がAndroid 2.0プラットフォームの中核部分を占めることは大歓迎だ。おかげでわれわれは、ES2.0をいつでも利用できる」とVukicevic氏は述べ、そのような恩恵は、Mozillaが対応を計画しているすべての携帯端末で受けられるわけではないと指摘した。
また、Vukicevic氏によれば、OpenGL ESのサポートは、同氏が関わっているもう1つのプロジェクト「WebGL」にも役立つ可能性があるという。WebGLは、ブラウザ上で実行されるウェブアプリケーション向けの3Dインターフェースを実現するテクノロジだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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