メディアエクスチェンジは親会社のフリービットと共同で、クラウドサービスに参入する。IPv6に標準対応し、サーバだけでなくファイアウォールなどまで仮想化した「仮想データセンタサービス」(両社)を提供するという。
サービス名は「MeX VDC」。一般企業のほか、クラウドサービスを提供したい事業者向けにもサービスを提供する。フリービットはISP向けの支援サービスに次ぐ、IDC支援サービスと位置付けている。
サービスは大きく分けて「ENTERPRISE-FARM」「ENTRY-VPS」「VPS-BOX」の3つ。まずENTERPRISE-FARMは、仮想サーバに加えてネットワーク帯域やファイアウォール、ロードバランサなどをユーザーが自由に組み合わせられるクラウドサービス。管理ツール「MeX Desktop Data Center」を使い、インターネット経由でシステムの設定、管理ができる。SLA(サービス品質保証)は99.9%とのことだ。
ENTERPRISE-FARMはメディアエクスチェンジ初代社長の吉村伸氏が設計に携わったという。仮想化プラットフォームはVMwareと独自開発のSilkVMを併用しているとのこと。法人とクラウドサービス事業者の両方に向けて提供する。すでにテストマーケティングを開始しており、オンラインゲーム会社や大学で採用される予定とのことだ。
価格は1vCPU(仮想CPU)とメモリ1Gバイト、HDD100Gバイトの組み合わせで月額2万1000円、回線費用は10Mbps以下であれば1Mbpsあたり同8400円。このほか、初期費用として1仮想マシンあたり5万2500円、1回線10万5000円かかる。また、仮想データセンタを設置する際に必要となるIPアドレスを、日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)などに申請するための手数料が別途1万5750円かかる。
ENTRY-VPSは仮想専用サーバを1台単位で利用できる法人向けサービス。Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)と競合するサービスだが、IPv6に対応している点で強みがあるという。価格はメモリ1Gバイト、HDD50Gバイトの構成で月額3000〜4000円となる。なお、ENTRY-VPSの販売主体はフリービットで、2011年4月期第1四半期(2010年5〜7月)に発売する予定だ。
VPS-BOXは仮想化プラットフォームを実装した物理サーバを1筐体単位で提供するもので、クラウドサービス事業者を対象としている。仮想化プラットフォームにはOpenVZを採用した。メモリ256Mバイト、HDD10Gバイト構成の場合、最大250VPS(仮想プライベートサーバ)が設置可能とのこと。料金は月額9万9800円となっている。
両社は2011年4月期におけるMeX VDCの売り上げを5億円と見込んでいる。今後は国内だけでなく、中国市場にも進出したい考えとのことだ。
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