Microsoftは米国時間11月16日、スーパーコンピューティング分野の主要なカンファレンスにおいて、強力なクラスタサーバ向けに再設計された「Excel」スプレッドシートのテスト版を発表した。
クラスタ上でのExcelのパフォーマンス改良を進めることで、通常ならば計算に数週間を要していたようなスプレッドシートでも、わずか数時間で稼動するようになると、Microsoftは説明している。
同社はまた、高性能コンピューティングのクラスタ上で稼動するように設計された「Windows Server」の最新版となる「Windows HPC Server 2008 R2」ベータ版をリリースした。この一連の発表は、オレゴン州ポートランドで開催中の「SC09」カンファレンスで行われた。
Microsoftは、スタンダード版の「Excel 2010」を新たなWindows HPC Server 2008 R2のテクノロジと統合し、クラスタ上でのExcelの稼動を可能にしている。Excelコンピューティングクラスタの正式版およびWindows HPC Server 2008 R2の正式版は、2010年夏にリリースされる予定である。この機能の開発には、これまで約18カ月が費やされてきた。
今回の発表は、標準的なサーバを数多く結び合わせて構築される高性能システムから成るクラスタコンピューティング市場において、ここ数年の間にMicrosoftがLinuxと首尾よく対抗していくために講じてきた取り組みの中でも最新のものとなる。たとえば、同社は2008年にスーパーコンピュータランキングの上位に食い込むことに成功し、初めて25位以内のランキングに姿を現した。
さらに、Microsoftは、開発者向けツールの次期版となる「Visual Studio 2010」では、こうしたシステム上で効率的に動作するソフトウェアの作成がサポートされることも明らかにした。
MicrosoftのシニアディレクターであるVince Mendillo氏は声明で「これまで高性能なパラレルコンピューティングは、その環境およびアプリケーションの複雑さとパラレルプログラミングの難関ゆえに、主に一部の顧客に限定して提供されてきた」と述べた。
Windows HPC Serverの最新版に関しては、最大1000ノードのクラスタサポート、ディスクレスブート、管理および診断性能の改良などが、即座に提供されることを、Microsoftは明らかにしている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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