Microsoft Research(MSR)は11月4日、「マイクロソフトリサーチ アカデミック連携プログラム」(英語プログラム名:Mt. Fuji Plan)を展開すると発表した。これは、日本のアカデミック界に対する長期的なコミットメントと投資からなるプログラムで、3カ年計画で数百万米ドルを投資して取り組む。
MSRアカデミック連携プログラムは、これまでMSRと日本のアカデミック界がテクノロジ分野で実施してきた連携活動の実績を基に展開する。プログラムの柱となるのは、共同研究、人材育成、学術交流、カリキュラム開発の4つだ。
共同研究においては、日本の研究者がMSRの「CORE連携研究プロジェクト(Collaborative Research Projects)」を通じ、連携プロジェクトの可能性がある研究テーマを提案する。またMSRは、ロボット工学や音声および自然言語処理、データ合成、モバイル、クラウドコンピューティングといった最先端技術を研究するにあたっての経済的、技術的支援を、アカデミック界の有力な研究機関に提供する。
人材育成に関しては、すでに過去10年間で5000名以上の学生や研究者をMSRにインターンとして受け入れ、指導するなどの人材育成を行ってきたが、日本の若い研究者がMSRとの連携で最先端のコンピューティング技術を研究できるような機会を新たに設ける方針だ。また、情報学の分野で顕著な成果を示した研究者に贈られる「MSR日本情報学研究者賞」を活用し、若手研究者の顕彰を行う。
学術交流においては、プログラムの一環として、日本のアカデミック界と交流する機会を定期的に設け、創造的なアイディアや技術的情報、研究成果などを共有する。その第1弾として、「21世紀コンピューティングコンファレンス(21CCC)」を11月4日に慶應義塾大学にて、11月6日に京都大学にて開催する。21CCCでは、大学関係者や学術界の指導者、研究者、学生など約1000名を対象に、「3 Screens and 1 Cloud: Rethinking Computing〜コンピューティング新潮流〜」をテーマに意見交換する予定だ。
カリキュラム開発に関しては、新たな世代の研究者や技術者を育てるという観点から、ロボット技術、検索、データマイニングなどコンピュータ科学の新分野をテーマとしたカリキュラムの開発をすでに行っている。MSRではこうした分野の大学教員と協力しつつ、教材の改善や学習環境に革新をもたらすような手法の探求に取り組んでいるが、今後はさらにこのような最新テクノロジを実環境に適用するなどして、新たな学習方法の導入を推進するという。
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