Intelは、この30日間にソフトウェア企業2社を静かに買収していた。その目的は、複数の処理コアを搭載するチップをさらに活用するアプリケーションの開発を促進することである。
企業ブログにおいて同社は、Cilkを2009年7月末に、続いてRapidmindを先週買収したことを明らかにした。どちらも従業員数50名未満の小規模企業である。2009年6月には、ソフトウェア企業Wind River Systemsを買収している。
Intelのマーケティングおよびセールス担当チーフエバンジェリスト兼ディレクターを務めるJames Reinders氏は米国時間8月21日、Intelが2社を買収した理由として、「この数年間で、マルチコアのマイクロプロセッサが徐々に登場し始めている。それらは、ますます多くのマシン上で並列性を実現する」と電話インタビューで述べた。
「日常的に使用されている従来のアプリケーションのほとんどは、少なくとも最大限には、並列性を利用していないといえる」とReinders氏は述べた。
マルチコアプロセッサとは、複数の処理コアを搭載するチップのことである。今日、ノートPC、デスクトップPC、サーバに搭載されるほとんどすべてのIntel製チップが、少なくとも2つのコアを搭載する。アプリケーションにおいて確実にそれらすべてのコアが活用されるようにすること、つまり、いわゆる並列性を利用させることが、Intelにとっての課題である。従来からはこれは、ソフトウェアプログラマに課せられる課題であった。
Reinders氏は「Windows」などのOSに言及して、「OSには、アプリケーションを並列に実行するためのしくみがある」と述べた。「しかし、われわれが毎年、さらに多くのコアを製造できることを考えると、将来的に可能となる効果を確実に実現するためには、アプリケーションを変える必要がある。しかしほとんどのアプリケーションは変わっていない」と同氏は述べた。
並列プログラミングの開発を促進することがその目標である。「ソフトウェア開発者による並列プログラミングを、われわれはどのように支援することができるだろうか? 買収した2社にはいずれも、この問題に取り組んできた専門家の集団がいる。したがって、彼らは同一の精神に基づいている」と同氏は述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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