「MIPS」プロセッサアーキテクチャに携わる企業が同アーキテクチャ向け「Android」向けのソースコードをオープンソース化したことで、Androidオペレーティングシステムは、家庭用電化製品への搭載に一歩近づいた。
MIPS Technologiesは米国時間8月5日、MIPSアーキテクチャ向けAndroidのソースコードをリリースした。同社がMIPSの32ビット版にAndroidを移植すると最初に述べたときから、2カ月が経過していた。このアーキテクチャは、セットトップボックスやデジタルTVセット、ホームメディアプレーヤー、インターネット電話システム、モバイルインターネットデバイス(MID)などで使用されており、既にAndroidが搭載されている「ARM」技術に対抗する存在である。
「Androidは、インターネット接続や多様なアプリケーションをMIPSベースの家庭用デバイスにもたらすという魅力的な価値を提案する」とMIPS Technologiesのマーケティング担当バイスプレジデントであるArt Swift氏は声明の中で述べた。「わたしたちは、開発者が家庭用電化製品向けにAndroidを利用するのに必要不可欠な技術を提供すべく、顧客やパートナーと密接に連携している」(Swift氏)
MIPS Technologiesと同社のパートナー(Androidに注力するOpen Embedded Software Foundationに参加しているチップメーカーやメーカー、ワーキンググループを含む)は既に、ホームメディアプレーヤーやデジタルTVのリファレンスデザイン上で動作するAndroidのデモを行っている。彼らは今後数カ月にわたって、より多くの同プラットフォーム向けアプリケーションのデモを実施していく予定だ。
Androidはスマートフォン向けのプラットフォームとして、メインのスポンサーであるGoogleが2007年末に公開した。Androidはその後、メーカー数社が2009年に同システムを使った電話機をリリースするなど、ハンドセット市場で成功を収め始めている。2009年内には、Androidを搭載した低コストのネットブックのリリースも予定されている。ただし、Googleはネットブック市場向けに「Chrome OS」と呼ばれる別のオペレーティングシステムも準備している。
従って、今回の埋め込み型システムへの参入によって、Androidには携帯電話とデスクトップに続く3つ目の戦場が出現したことになる。つまり、Microsoftの「Windows」の埋め込み版である「Windows CE」と争うための戦場だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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