矢野経済研究所が7月8日に発表した「ITアウトソーシングの導入実態と利用意向に関する調査結果 2009」によると、SaaSの普及率は2.2%と低いことが明らかになった。コストメリットを感じられないという声が多くあがっており、「現状のままでは今後のSaaSの普及は期待薄」とコメントしている。
この調査は2008年12月から2009年6月にかけて、国内企業677社を対象に郵送およびウェブ上で実施したもの。
調査結果によると、オンラインサービスでSaaSを利用していると回答したのは、わずか2.2%にとどまった。話題性は高い一方、現状でSaaSを利用している企業はわずかとなっている。また、今後のSaaSの利用意向についても、「なし」を選んだ企業が83.9%にのぼり、「あり」と回答したのは10.8%だった。
SaaSの利用意向がない理由として、「コスト面のメリットを感じられないから」という回答が30.4%ともっとも多かった。SaaSは従量課金型の料金体系を採っており、コスト削減効果があるとうたうITベンダーも多い。しかしその魅力は、ユーザー企業に理解されていないようだ。矢野経済研究所では、IT管理コストが減らせて社内のリソース配分を最適化できることや、導入から利用までの期間が短いといった利点をベンダーは訴求する必要があると分析している。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」