IBMは米国時間6月16日、今後5年間で、消費者と企業の両方に向けたモバイル技術の促進を目的とする主要な研究プロジェクトに1億ドルを投入すると発表した。世界中において携帯電話やポータブル機器への依存性が高まる中、IBMは、モバイル通信の効率と使用性の向上を目指している。
IBM Researchのモバイル通信担当グローバルリーダーであり、IBM Research-Indiaのディレクターを務めるGuruduth Banavar博士は、「モバイル機器は、徐々にユビキタスな存在になりつつあり、われわれの地理的、経済的、社会的、その他多くの壁を取り除いている」と述べる。「高い普及率、シンプルなユーザーインターフェース、コストの大幅な削減といったエンドユーザーに対する利点を持つモバイルテレフォニーは、企業の通信と情報交換の未来を握っている」(Banavar博士)
同社は、モバイル企業の実現化、新興市場におけるモバイル性、企業からエンドユーザーまでのモバイルエクスペリエンスという3つの主要分野を中心に研究を進める計画である。
より多くのビジネスユーザーにとって携帯電話が欠かせない存在になるにつれ、企業には、これらの機器への情報を管理し、容易に取り入れる方法が必要となる。「BlueStar」と名づけられたIBMの新技術は、大規模企業内における携帯電話とアプリケーションの使用を自動化することを目的としている。BlueStarの最新のパイロットテストでは、GPS追跡ツールやカレンダーツールを用いて、保険会社がより容易に申請書類を適切な代理店へと携帯電話で送信できるようにした。その後、同システムによって処理されたその申請書類に関する情報は、安全に代理店へと返送される。
IBMがInternet World Statsから得た情報によると、世界の83%の地域にはまだ、コンピュータを介した定常的なインターネットアクセスがないという。IBM Researchは、インド南部でパイロットプロジェクトを立ち上げ、消費者や小規模事業経営者が携帯電話によってインターネット情報を検索し、共有できるようにした。
この分野においてIBMは、モバイルユーザーとバックエンドの間のよりよい関係を築きたいと考えている。消費者と企業の傾向を分析することにより、モバイルウェブはより適切にパーソナライズされたコンテンツを提供することができるようになるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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