MicrosoftのWindows事業部門の最高幹部は米国時間6月8日、「Windows 7」について非常に興奮してはいるものの、同OSのリリースがPC売上高の急増につながるとは思わない、と述べた。
「一般的に、Windowsリリースを市場に出荷したとき、その影響が軽微であることは、歴史が証明している」とMicrosoftのシニアバイスプレジデントであるBill Veghte氏は、「UBS Global Technology and Services Conference」での「炉辺談話」として述べた。「多少の影響は確認できるが、それはごくわずかなものだ」(Veghte氏)
Veghte氏は先週、Microsoftが10月22日にWindows 7を出荷する予定であることを発表した。同社は数週間以内に、「Windows Vista」を搭載した新品PCの購入者を対象に、Windows 7へのアップグレードを無料または安価で提供するプログラムも開始する。Best Buyから流出したメモは、同プログラムが6月末にスタートする予定であることを示唆している。
Veghte氏によると、企業向け市場では多くの人が「Windows 7に熱狂」しているものの、企業がコンピュータのアップグレード時期を決定する上で、その熱狂が最大の判断材料になることはないという。
「熱狂は、マクロ経済環境によってかき消されてしまうだろう」とVeghte氏は、Microsoftの投資家向けウェブサイトでウェブキャストされた講演で述べた。「マクロ環境が回復すれば、人々は新しいPCを買わざるを得なくなる。現在の環境でも、人々のPC使用頻度は全く減っていない」(Veghte氏)
Veghte氏は、Windows 7によって、MicrosoftはWindowsの平均販売価格(ASP)を高められるのかどうか、厳しく質問された。WindowsのASPは、低コストなノートPCであるネットブックの人気拡大によって、大きな打撃を受けている。
「その問いに答えるのは、極めて難しい」とVeghte氏は述べた。「現在の経済環境では、(『Windows XP』が現役でWindows Vistaが発売されたばかりの頃と)同じような状況になるのは非常に困難だと思う。景気が回復すれば、それはとても興味深い質問になるだろう」(Veghte氏)
さらに、Veghte氏はMicrosoftの最近のコスト削減への取り組みについても質問を受け、この取り組みは同氏の19年の在籍期間でMicrosoftが一度も経験したことのないものである、と述べた。Veghte氏によると、すべての支出が本当に必要なものなのかどうか、検討されているという。
「すべてが、つぶさに調べられている」とVeghte氏は述べた。「わたしたちは、社風を変えて、本当に厳しい代償を払うことを余儀なくされている。わたしは、これはMicrosoftとその社風にとって素晴らしいことだと考えている」(Veghte氏)
MicrosoftがWindows Vistaユーザーを対象に、安価なアップグレードを用意するのかどうかについて、Veghte氏から明確な答えはなかった。しかし、Veghte氏によると、Microsoftは、価格的な観点から見て「非常にスムーズ」なアップグレードパスを提供したいと考えているという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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