Sun Microsystemsが「MySQL 5.4」を発表した。これまで1インスタンスあたり4コア対応だったのが、最新版では改善されている。Betanewsが報告しているように、MySQLは「プロセッサに複数のコアを搭載したx86サーバでは、最大16プロセッサ(16ウェイ)対応が可能となった」
これはつまり、ウェブにフォーカスしたデータベースアプリケーションでリーダー的存在のMySQLが、エンタープライズ市場において本格的なプレーヤーとなったことを意味する。MySQLを所有することになったOracleがこのニュースを歓迎するとは思えない。
調査会社Redmonkのアナリストを務めるStephen O'Grady氏は、MySQLはさまざまな方法でOracleを補完すると見る一方で、「MySQLは利ざやが低い製品であり利ざやの高い主力製品を(少なくとも一部では)脅かすため、Oracleの営業部隊はSunの営業部隊以上にMySQLを嫌うだろう」と述べている。
Oracleは、MySQLを獲得することで大きなメリットを得るし、失うものもある。Oracleは他に類を見ないほどよく経営管理された企業だ。筆者の予想では、OracleはMySQLと対立するのではなく、活かす道を見いだすだろう。IBMが「Geronimo」を「WebSphere」の販売増に利用しているように、OracleがMySQLをプロプライエタリなOracleデータベースへのパイプ役として利用するとは筆者には思えない。
むしろ、OracleはMySQLをウェブデータベースに確固として位置づける(また技術的に位置づける)だろう。結局のところ、OracleはMySQLの主要なストレージエンジンである「InnoDB」を所有しているのだ。冒頭に触れたMySQLの拡張性強化も、InnoDB次第だ。つまり、OracleはすでにMySQLの方向性を支配する手段を手にしているのだ。われわれはOracleが支配すると予想しておくべきだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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