The FreeBSD Projectは米国時間1月5日、人気の高いUNIX系OS「FreeBSD」の新しい安定版となる「FreeBSD 7.1-RELEASE」をリリースした。今回から、Sun Microsystemsの主力製品であるパフォーマンス分析およびデバッグ用ツール「DTrace」が初めて公式に搭載されている。
DTraceは、2003年の終わりにSunの「Solaris」OS向けに導入されたツールだ。このツールを利用すればプログラマーとシステム管理者は、本番システム上でカーネルとアプリケーションの問題をトレースできるため、これまでよりはるかに効果の高い追跡が可能になる。Sunが2005年初めにソースコードを公開して以来、このツールは他のソフトウェアプラットフォームへの搭載が少しずつ進んでいる。
FreeBSDプラットフォームでは、しばらく前からDTraceの搭載が進められていた。
FreeBSD 7.1の開発者らは、リリースを知らせる電子メールの中で、DTraceの追加を明らかにしたほか、数多くのバグ修正やFreeBSDにすでに追加されていた機能を発表している。
たとえば、FreeBSD 7.1には、マルチCPUコアのシステムでパフォーマンスを向上させる新しいプロセススケジューリングシステムがデフォルトで搭載された。また、NFS(ネットワーク)共有をロックできる新しいソフトウェアクライアント、FreeBSDをUSBデバイスから起動できるブートローダー変更機能、ソフトウェアスレッドをより適切に一定のCPUに割り当てられるインターフェースなども導入された。
デスクトップ環境の「KDE」や「GNOME」といった基本ソフトウェアパッケージもアップグレードされ、一部のハードウェアプラットフォームについては、DVDメディアでFreeBSDが提供されるようになった。詳細とダウンロード先についてはこちらから確認できる。
FreeBSDは、最も古くからあり現在も利用されているオープンソースのUNIX系OSの1つで、ここ10年ほどは競合製品のLinuxの陰に隠れてしまった感があるとはいえ、ホスティングプロバイダ環境やインターネットサービスプロバイダ環境にあるサーバシステムのほか、データベースのホスティングなどを始めとするさまざまな業務で広く利用されている。
FreeBSDの入手は無料だ。また、x86アーキテクチャだけでなく、Sunの「SPARC」システムや「DEC Alpha」システムなど、数多くのプラットフォーム上で実行できる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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