Googleオペレーティングシステム(OS)については何年も前からさまざまに噂され、Googleの社内で広く使われているUbuntu(Linuxの一種)を基礎にしたものではないかとささやかれてきた。しかし、その予想は外れたようだ。米国時間12月8日、同社はオープンソースプロジェクトNative Clientを発表した。
同社が独自OSを出すという見方について、記者はかねがね懐疑的だった。同社はウェブから世界を見ている企業だからだ。しかし、Google Docsがかなりの成功を収めているとは言っても、ウェブアプリケーションには限界があり、この問題を解消するためにNative Clientを登場させたのだ。
同社Native ClientチームのBrad Chen氏はブログで次のように述べている。「Googleでは常にウェブをよりよいプラットフォームにするよう努めている。Native Clientは、その一環だ。これによって、ウェブ開発者はクライアントのCPUが持つ全パワーを使えるようになる一方、ウェブアプリケーションに期待されているブラウザ独立性、OSポータビリティ、安全性は保たれる」
同社には、検索、広告、アプリケーションという3つの目標があり、最初の2つについては健闘している。しかし、ウェブベースのアプリケーションについては、ほとんどの利用者にとってまだ不十分だ。同プロジェクトを完成させ、人々がそれをインストールし、プログラマーがそのためのソフトウェアを作るようにできれば、Native Clientによって第3の目標を達成できる可能性はある。
Native Clientプラグインは種々のウェブブラウザに対応し、ウェブアプリケーションがコンピュータの持つ大きな処理能力を活用できるようにする。この点で、ソフトウェアに「動作の」基盤を提供するSun MicrosystemsのJavaやMicrosoftのSilverlight、Adobe SystemsのFlashと同じ範疇に入るソフトウェアだ。
現段階では、Native Clientは研究プロジェクトにすぎない。しかし、長期的には、ウェブアプリケーションのための魅力的な基盤を作るという競争において、大きな成果を生むことになるかもしれない。理念的には、アプリケーションをサーバでもPCでも動かすというAdobeの戦略と符合する。
同社によると、Native Clientは、現在、Windows、Mac OS X、Linuxが動作するx86プロセッサ搭載システムのFirefox、Safari、Opera、Chrome上で動作しているという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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