「Microsoft Office Word」「Microsoft Office Excel」「Microsoft Office PowerPoint」のウェブ版を欲しいと思っているユーザーは、もうしばらく待たなければならないようだ。
Microsoftのビジネス部門担当プレジデントであるStephen Elop氏は2008年10月のインタビューで、ブラウザベースのアプリケーションのテクノロジプレビューを2008年に発表し、2009年にはベータ版を提供すると述べていたが、Microsoftでは「テクノロジプレビュー」という言葉をいくぶん曲解して使っていることが分かった。
同アプリケーションは現在、1000人に満たないMicrosoftの従業員が使用している。これは、2008年11月に始まり2009年2月まで予定されているテストの一環であり、コンシューマーはこれらの製品のテスト版を2009年まで試すことができない。Microsoftはテスト版の提供をいつ開始するかを公表していない。しかし、ウェブアプリ版Officeの試用を検討すべき時が来るまで、「Microsoft Windows 7」のベータ版を試してみる時間が十分にあると言えるだろう。
最終的にMicrosoftは、コード名が「Office 14」という新しいMicrosoft Office製品群と併せて「Office Web Applications」をリリースする予定だ。Office14のデスクトップ版のリリース日は公表されていない。
ブラウザベースのOfficeプログラムの提供方法は、コンシューマー向けと、従業員にOffice Web Applicationsを提供する企業向けの2つが予定されている。コンシューマーは「Microsoft Office Live」上でそれらのプログラムを使用できるようになる。現在Microsoftは、「Microsoft Office Live Workspace」と呼ばれる無償製品を提供している。Office Live Workspaceでは、Officeドキュメントの閲覧と共有が可能だが、編集はできない。
一方、ライバルであるGoogleとZohoはすでに編集機能を提供している。Microsoftは、同社製品との互換性やドキュメントの忠実度が高い点を主張している。最近Microsoftでは、複数の大口顧客がOfficeの使用をやめて「Google Apps」へ移行することを検討していたが、Office Web Applicationsの計画を共有することで、そのうちの何社かを繋ぎ止めた。
例えば、Procter & Gamble(P&G)はGoogle Appsへの移行を徹底的に検討していたが、Microsoftの精力的な働きかけにより、Microsoftの利用継続を決めた。Elop氏によると、説得にあたってMicrosoftはウェブベースのOfficeプログラムについての計画を詳しく説明したという。
「それは話し合いの一部だった。程度の差はあるが、さまざまな状況の中で顧客と計画を共有している」(Elop氏)
MicrosoftはOffice Web Applicationsの価格設定について明言していないが、Office Liveには有償製品と無償製品があることから、Office Web Applicationsにも無償版と有償版の両方ができるかもしれない。
企業向けのOffice Web Applicationsは、「Microsoft Office SharePoint Server」の一部として提供される予定だ。いずれにせよ、Office Web Applicationsが動作するのは、コンピュータがインターネットに接続されている場合に限られる。
Energizerの最高情報責任者(CIO)であるRandy Benz氏から2008年11月に聞いた話では、Office Web Applicationsによって新しい可能性が開けるという。Benz氏によると、ウェブだけを利用する低コストオプションによって、Officeにかかる総コストが下がることはないだろうが、そのオプションを活用することによって、今までOfficeを使用してこなかった従業員クラスがOfficeを利用できるようになるそうだ。
「各PCにはフル(Office)スイートが搭載されているが、当社ではPCの数が限られている」(Benz氏)
MicrosoftのバイスプレジデントChris Capossela氏も同様に考えていると述べた。Capossela氏によると、現在Officeユーザーは約5億人いるが、多くのコピーの代金は支払われていない。
「販売を増やす大きな機会だと見ている」(Capossela氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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