Sun Microsystemsは先週、「OpenSolaris 2008.11」を公開した。Canonicalの「Ubuntu」など、デスクトップ向けLinuxディストリビューションに対する競争力強化を目指し、多数の改良が施されている。
OpenSolarisは、SunのUNIX系OSである「Solaris」のオープンソース版だ。主としてワークステーションで使われることを想定しており、使いやすさを前面に掲げている。しかし、オープンソースの世界に入ってまだ日が浅いため、競合するLinuxディストリビューションに比べてアプリケーションが少なく、サポートしているハードウェアの範囲も狭い。
OpenSolaris 2008.11では、そうした問題を解消する機能が含まれる一方で、ZFSファイルシステムなどのSolaris独自の機能にも重点を置いている。
Sunは、ハードウェアに関する新機能として、サスペンドとレジュームのサポート、3Dグラフィックスアクセラレーション、SDカードへの対応、オーディオ用ハードウェアのサポート強化などを挙げている。ただし、サスペンドとレジュームのサポートはまだ限定的で、現在はSunのUltraワークステーションのほか、東芝、Lenovo、Dellのハードウェアプラットフォームにのみ対応となっている。
ZFSはシステムの特定の状態を保存するスナップショット機能に対応している。OpenSolaris 2008.11では、GNOMEのファイルマネージャ「Nautilus」からグラフィカルインターフェース(GUI)を介してスナップショットを扱うこともできる。搭載されているGNOMEデスクトップのバージョンは2.24。
パッケージングシステムIPSでは、アップデートマネージャが新しくなり、利用者にソフトウェアの新版があることを通知するようになった。また、グラフィカルパッケージマネージャも更新された。
サードパーティーソフトウェアでは、「Firefox 3」と「OpenOffice 3.0」のほか、ファイルのインデックス化と検索ツールである「Tracker」やメディアプレーヤーの「Songbird」、BitTorrentクライアントの「Transmission」が新たに搭載された。
OpenSolaris 2008.11は、従来のメインリポジトリのほかにソフトウェアパッケージリポジトリがサポートされ、OpenSolarisで利用可能なソフトウェアの範囲が広がった。これらには、メインリポジトリへの登録がまだ承認されていないパッケージのための「contrib」リポジトリ、Adobe Flashなどのプロプライエタリソフトウェアのための「extra」リポジトリ、さらなるテストが必要でまだ本番利用向きではないソフトウェアのための「pending」リポジトリが含まれている。
Sunによると、2009年4月にリリース予定の次期版「OpenSolaris 2009.4」は、SPARCハードウェアプラットフォーム、リソース制御とネットワーク仮想化のためのツール「Crossbow」をサポートし、パッケージ管理や、自動インストール、ネットワークに対するそのほかの改善も含まれるという。
最新版は、OpenSolarisのウェブサイトからダウンロードすることができる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」