IBMが、同社のシリコンオンインシュレータ(SOI)技術を用いて、45ナノメートルチップを製造する「ファウンダリ」サービスの提供を開始した。
今やファウンダリはチップ業界の一大事業となっている。世界最大のファウンダリTaiwan Semiconductor Manufacturing Company(TSMC)は、Advanced Micro Devices(AMD)とNVIDIA向けにチップを製造している。AMDは10月、同社の製造事業をファウンダリとして分社化すると発表した。
従来、ファウンダリが提供していた最新の製造技術の大半は65ナノメートル製造プロセスがベースだった。一般に、チップは製造プロセスが微細化されるほど、チップの動作速度や電力効率は高くなる。
IBMは米国時間11月10日、SOI技術を使った45ナノメートルチップのファウンダリサービスを提供開始したことを発表した。現在、IBMはソニーや任天堂など、複数の企業向けにチップを製造している。
SOI技術を使った45ナノメートルチップは、バルクCMOS(complementary metal-oxide)技術と呼ばれる従来のシリコン技術で製造したチップに比べ、処理能力が30%、電力効率が40%高い。
一方、SOIの欠点は高価な点だ。これが、広範な顧客に採用してもらう上で1つの障害となっている。ちなみにIntelは、同社のシリコンにSOI技術は使用していない。
IBMによると、同社は1990年代にサーバ製品に搭載する形でSOI技術を初めて商業製品として出荷したという。また同社は、現在、主要なゲーム用ハードウェアプロバイダーはすべてSOI技術を使用していると付け加えた。
IBMが10日に発表したサービスにより、すでにIBMの既存のSOI開発インフラを通じて利用可能な知的財産に業界標準の設計ツールやライブラリが追加されるという。
また英ARMは10日、スタンダードセル、メモリ、I/Oライブラリなどをポートフォリオに含むフィジカルIP製品で、IBMの新しい45ナノメートル世代のSOIファウンダリをサポートすることを明らかにした。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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