Transmetaが、大手グラフィックスチップメーカーのNVIDIAに対し、「LongRun」と低消費電力チップ技術の1回限りの使用許諾を2500万ドルで供与した。NVIDIAは高性能チップの悩みである消費電力の問題に取り組みたいと考えている。
かつてのチップベンダーから知的財産を提供する企業に変ぼうを遂げたTransmetaは、NVIDIAにはTransmetaのLongRun、「LongRun2」テクノロジをはじめ、「NVIDIA製品と一緒に使用する知的財産」の非独占的ライセンスが供与されたと述べている。
Transmetaの発表によれば、契約では、NVIDIAに対し「先進的な電力管理をはじめとするコンピューティング技術」を含むTransmetaのすべての特許、特許アプリケーションのライセンスが供与される。
LongRun2テクノロジとは、先進の電力管理とリーク電流の制御を合わせたテクノロジである。
NVIDIAはこれまで電力効率よりもパフォーマンスを重視してきた。同社のチップは高速だが、大量の電力を消費する。NVIDIAの広報担当者であるDerek Perez氏は、NVIDIAがノートPC、携帯機器市場の要件をさらに満たすためには、Transmetaの低電力技術が必要だと述べている。
「先進の電力管理、トランジスタのリーク電流制御技術である(Transmetaの)LongRunの価値は市場で実証済みだ。NVIDIAは、このLongRunテクノロジを活用して、今後のGPUの消費電力、性能の指標を改善していく」(Perez氏)
NVIDIAは最近、同社製グラフィックスプロセッサを搭載したノートPCの過熱問題に取り組んでいる。NVIDIAは米国時間7月2日、ノートPCで使われているNVIDIAの一部のグラフィックスシリコンの「性能の低いダイ、パッケージ材料」を中心とする不具合に対処する「Business Update」をリリースした。ここでいうダイとはチップ自体、パッケージはチップ包装を指す。
この発表の後、Hewlett-Packard(HP)、Dellの両社は欠陥の影響を受けるノートPCの一覧を公表した。
Transmetaは、かつては低消費電力のx86プロセッサを提供していたが、現在では、マイクロプロセッサ技術とそれに関連する知的財産を開発し、ライセンス供与している。Transmetaは、2006年10月、Transmetaの特許を侵害しているとしてIntelを提訴したが、その後、2億5000万ドルでIntelと和解した。
Transmetaは現在、先進の電力管理技術の開発とライセンス供与、コンピューティング技術、マイクロプロセッサ技術のライセンス供与を専門としている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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