Gentoo Foundationは、「Gentoo Linux 2008.0」の正式版をリリースした。ハードウェアドライバの追加が注目される新しいLinuxカーネルに移行している。
Gentooは、パッケージのアップデータとインストーラに「Portage」という特別なシステムを採用していて、Portageの柔軟性を理由に「メタディストリビューション」と称している。Portageは各ソフトウェアコンポーネントを、コンパイル済みのバイナリを使わずにソースコードからコンパイルして構築する。
Portageだと各パッケージがユーザーのハードウェアとソフトウェアにあわせてカスタマイズされるが、欠点として、デスクトップ環境「KDE」など複雑なシステムの場合はインストールが遅くなる可能性がある(KDEや「OpenOffice.org」「Mozilla Firefox」など一部の人気ソフトについて、Gentooはコンパイル済みのバイナリをリリースしている)。
速さについては定評があり、スクリプティングを多用することで維持管理者の作業量が軽減されるように作られている。開発陣によると今回の新バージョンは2.6.24カーネルを採用しており、バージョン2007.0以降にリリースされた新しいハードウェアドライバが追加されているという。
また、インストーラが新しくなってネットワークを用いないインストールの実行方法が変更されたほか、拡張パーティションおよび論理パーティションの管理のバグが修正されている。
Gentooのサイトによると、Gentooの最も一般的なインストール方法であるLiveCDでは、デスクトップ環境が「GNOME」から「Xfce」に変更され、必要なディスクスペースが少なくなっているという。デスクトップ環境はGNOMEやKDEがいいという人はソースからインストールする必要がある、と開発陣は話している。
Gentooのリリースを遅らせていたLiveDVDは後回しにされており、リリースが取りやめになる可能性もある。
アップデートされたパッケージをいくつか挙げておくと、インストールとアップデートの基本システムであるPortageがバージョン2.1.4.4に、Xfceがバージョン4.4.2に、「GNU C Compiler」(gcc)がバージョン4.1.2に、「GNU C Library」がバージョン2.6.1になっている。
Gentooはデフォルトでは最も基本的なパッケージのみをインストールし、あとはユーザーがPortageを使ってシステムを構築するようになっている。現在、GentooのPortageツリーには1万を超えるパッケージが含まれている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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