IBMは、同社のデータベース管理ソフトウェア「DB2」をオープンソースライセンスの下で提供することに前向きだ。
IBMは、DB2を早急にオープンソース化する予定はないが、現在の市場環境を考えるとそれは避けられないだろう、と語るのは、IBM UKの情報管理ソフトウェア担当ディレクター、Chris Livesey氏だ。
Livesey氏は、「われわれは、すでにDB2の簡易版を無料で提供している。これは、コア(DB2)技術の公表に向けた第一歩だ」と述べ、さらに次のように続けた。「IBMがこれまでに行ってきたオープンソース市場への貢献を見ても分かる通り、われわれは、オープンソース市場をリードしたいという強い願望を抱いていた。オープンソース市場は全体的に見て興味深い市場だ。未来が開かれ、経済の見通しが明確化するにつれ、誰もがオープンソースにより深く関わるようになるだろう。われわれはそれに向け、順調なステップを踏んできた」
DB2は全世界で、IBM製品に広く利用されている。Livesey氏は、同製品の次のステップとして、DB2とビジネスインテリジェンス(BI)製品との相互作用機能を強化し、クエリを一カ所で管理可能にすることなどを挙げた。
Livesey氏は「現在、詳細なクエリを持つ人々は、(DB2データベースから)抽出したデータをBIで使用している」とし、「彼らがデータベース自体でそれを行わない理由は、データベース(のパフォーマンスに)大きな影響があるからだ」と付け加えた。
Livesey氏によると、IBMの顧客企業の中には、一カ所で、しかもリアルタイムで事業分析を行いたいと考える企業が増えているという。そのため、IBMはDB2のトランザクション速度を維持しつつ、同じ環境で複雑なクエリの処理を可能にするという課題に取り組まざるを得なかった。
Livesey氏によると、データ管理を任されているIT専門家たちが現在直面している課題の1つは、データストアのサイズとスケールだという。
「毎年何桁ずつかで増加する大きなデータ爆発があり、ストレージやデータ監視者に大きな影響を与えている」(Livesey氏)
「地球上で生み出される情報量、それらにアクセスしようとする人の数を考えると、いつすべてが崩壊してもおかしくない」(同氏)
Livesey氏によると、IBMはそのように考えた結果、データ圧縮技術や、データを保護するためのプライバシーやセキュリティ手段も研究しているという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」