サムスン電子、2011年までにノートPC市場から撤退を検討--シェア伸び悩みで

文:Rory Reid(CNET News.com) 翻訳校正:矢倉美登里、長谷睦2008年05月15日 12時41分

UPDATE サムスン電子は2011年までに市場シェアが伸びなければノートPC部門を廃止する予定だと、同社のシニアマネージャーの1人が明かした。

 このニュースは、韓国の水原(スウォン)市にあるサムスン電子本社を訪問中にCrave UKに伝えられた。サムスン電子のコンピュータ部門で海外での販売とマーケティングを担当するシニアマネージャーのSukyong Hong氏は、市場シェアを5.7%に伸ばすには2011年までに世界でさらに1100万台を販売する必要があると述べている。サムスン電子の世界市場でのシェアが2005年から2007年の2年間で1.2%から1.7%と、あまり拡大していないことを考えると、これは大変な仕事だ。

 事業を維持するには、(最低でも)ソニーを抜かなければならないと、同社では述べている。現在、ノートPC市場でのソニーのシェアは6%だ。ソニー以外の主要なライバルには手が届かないように思われる。ノートPC市場のシェアは、東芝が10%、Dellが14%、Acerが16%で、首位のHewlett-Packard(HP)は23%だ。

 市場シェアを伸ばす最もわかりやすい方法の1つは、ASUS、HP、MSIと同様に低価格の小型ノートPC市場に参入することだが、サムスン電子にはその気がないようだ。低価格ノートPCを生産すれば既存のマシンの売り上げが落ちると懸念しているからだ。

 もう1つの選択肢は、米国市場に進出することだ。現在、米国で販売されているサムスン電子のノートPCはウルトラモバイルPC(UMPC)の「Q1」シリーズのみだが、価格が高くユーザービリティに問題があるため、消費者に人気があるとは言えない。

 この話の皮肉な点は、サムスン電子が、LCDパネルなど、ソニー製ノートPCに使用されている部品の多くを提供していることだ。ゆえに、たとえソニーに負けてノートPC市場から撤退することになっても、サムスン電子にとってすべてが終わったわけではない。

[2008年5月16日 15:30追記] 本記事を受けて、サムスン電子のPR担当者はわれわれに次の声明を発表した。「サムスン電子はノートPC部門を2011年に廃止するつもりはない。しかし、この市場がますます飽和状態となり、そのため、価格競争が激しくなるとわれわれは見込んでいる」

 「このような状況を考慮に入れ、サムスン電子は、利益性維持のため、2011年までに市場シェア5.7%を達成するという意欲的でありながらも現実的な目標を設定した。市場シェアのこの水準は、この市場内での存続に関係しているわけではなく、長期にわたる事業成長の維持を確実にするためのものだ。これは、サムスン電子が引き続き新しい市場に進出していることからも明らかだ。最近では2007年8月にイタリア、2008年3月にはポーランドに進出している。サムスン電子は、2008年にも積極的な成長戦略を計画している」(同声明)

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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