Microsoftの製品研究部門であるMicrosoft Live Labsは米国時間12月5日、アプリケーションの各構成要素をネットワーク内で分配するのを支援する目的で設計された開発ツール「Volta」をリリースした。
Microsoftの研究者が対処しようとしているのは、アプリケーションのどの部分をクライアントやサーバのどちらの階層で実行するかを決定することの難しさだ。
一般に、開発者はこれらの階層間の通信を扱うコードを記述する必要がある。彼らは開発段階で、どのように設計したらアプリケーションが最適なパフォーマンスを発揮できるかを決定しなければならない。
Microsoft Live LabsのグループプロダクトマネージャーAlex Daley氏は、Voltaを使用すると、開発者は「いったん決めてしまうと元に戻せない決定をなるべく遅らせる」ことができると述べる。
Voltaは「Visual Studio 2008」のアドインソフトウェアであり、開発者はクライアント側のコードを書いて、次にどのコードをどこで実行させるかを注釈で指定することができるとDaley氏は説明する。
VoltaはMicrosoft Intermediate Language(MSIL)を使用して記述されている。つまり、「Visual Basic」や「C#」などのVisual Studioの言語に親しんでいる開発者であれば扱えるということだ。またVoltaはデバッガなどのVisual Studioのツールと統合されており、「Internet Explorer」や「Firefox」向けのアプリケーションを作成できる。
VoltaはまだMicrosoftの製品プランには統合されていないが、Microsoftのツールの設計方法に大きな影響を与える存在であるとDaley氏は述べる。
「単一のコードベースをクライアントサーバ間で共有し、それらの間の複雑な通信を管理するというこの種のアイデアは斬新で、Microsoftのツールの構築方法に大きな影響力を持っている」(Daley氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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