“カスタムできるASP”を求めるユーザーの声から生まれた「Applitus」

柴田克己(編集部)2007年11月29日 22時08分

 ウェブグループウェア「desknet's」を開発するネオジャパンが、IDC事業者のビットアイルとの協業で提供している「Applitus(アプリタス)」というサービスがある。

 Applitusでは現在、desknet'sをはじめとして、営業支援システム「desknet's SSS(サザン)」、顧客管理システム「desknet's CAMS」、イントラブログシステム「desknet's Blog」、大容量データ送信サービス「DAX(desknet's data Exchanger)」、オンラインショップ構築システム「desknet's おてがるWEB通販」といったネオジャパン製のウェブアプリケーションに加え、ASP型スパムメールフィルタ、ネットショップ構築運営システム、勤怠管理システムといった他社のアプリケーションも提供している。

 ISPやホスティング事業者などが、自社サービスの利用者に対してグループウェアなどの機能をオプションで提供するといったケースは多い。現に、desknet'sも現在7つの事業者に採用されている。

 だが、Applitusは、開発会社であるネオジャパンが自らの主導で提供しているものだ。こうした形態でのサービスを行っている理由について、ネオジャパン取締役、プロダクト事業本部販売推進部部長の小沼尚夫氏は、「そもそも、desknet'sユーザーからの要望に応えるために始めたもの」と説明する。

小沼尚夫氏 ネオジャパン取締役、プロダクト事業本部販売推進部部長の小沼尚夫氏

 「2005年にイントラネットでdesknet'sを利用していたユーザーから、“desknet'sと稟議決済システムを組み合わせた独自の仕組みを、社外からも使えるようにしたい”という要望があった。当初は、desknet'sを採用しているホスティング事業者を紹介したのだが、そうしたところで提供されるサービスでは、他のシステムとの連携といった独自のカスタマイズには対応できなかった。そこで、特例として、ネオジャパンで連携のために独自開発したシステムを、ビットアイルとの協業で、そのユーザーに提供したのがそもそもの発端だった」(小沼氏)

 ネオジャパンといえば、パッケージ製品である「desknet's」のブランドイメージが強いが、同社のビジネスの基盤となっているのは、現在も「受託開発」であると小沼氏は言う。ユーザー企業のニーズに応えるためのシステム構築をビジネスとして展開しつつ、ウェブアプリケーションの特長でもあるアクセスの容易さをも両立させるためにネオジャパンがとった方法が、いわば自社主導で展開するホスティングだったというわけだ。

 前出のケースは、ユーザー数が大規模だったこともあり、いわば「特注仕様」とも呼べるものだった。しかし、その後、他のユーザー企業からも「desknet'sと他の社内システムとの連携を図りたい」という要望が出るようになる。さらに、数百ユーザー単位の中堅規模企業からもカスタマイズの要求が増えてきたことにより、同社は本格的に「サービスのメニュー化」を検討するに至る。

 「desknet'sの、特にエンタープライズ版のユーザーに特徴的なのがカスタマイズのニーズが高いこと。価格には、製品本体のものに加えて、カスタマイズ、システム連携などの費用が含まれることになるが、この価格自体は、ユーザー規模の大小にはあまり関係がない。つまり、大規模ユーザーにとってはリーズナブルだが、数百名規模では1ユーザーあたりの価格に割高感が出てしまう。しかしながら、実際には中規模のユーザーからもカスタマイズの要望は増えていたので、それをメニュー化し、ユーザーの利用しやすい形で提供することを本格的に考え始めた」(小沼氏)

 これが最終的に形となったのが「Applitus」である。同名でのサービスは2006年の9月よりスタートしている。

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