Googleの科学者が米国時間11月12日、量子コンピュータのデモンストレーションに参加する。しかし、他の科学者らは、公開されるシステムの有効性を疑問視している。
ネバダ州リーノーで開催のスーパーコンピュータ関連のカンファレンス「SC07」で行われるセッションの中で、Googleの画像認識の専門家であるHartmut Neven氏が、ある機器を使って画像認識アルゴリズムのデモンストレーションを行う。この機器は、新興企業のD-Wave Systemsが開発したもので、世界初の実用的な量子コンピュータと言われている。
同システムは、世界初の商業的に実現可能な量子コンピュータといわれている。このコンピュータは、1つのシステムのさまざまな量子状態を利用して複数の計算を同時に行うことにより計算の迅速化を図るというものだ。そのようなシステムでは、あらゆる可能な量子状態が存在する。そのため、仮定の話だが、量子コンピュータは、時に「パラレルユニバース(並行宇宙)」と呼ばれるものの中で、ある問題に対するあらゆる可能な回答を同時に検証することにより、最適な回答を導くことが可能だ。
そもそも量子コンピューティングは、1980年代にノーベル賞受賞者のRichard Feynman氏が提案し、David Deutsch氏がその詳細な説明を行った。その後、量子コンピュータの開発には時間がかかっている。その理由は、複数の量子ビット(qubit)を持つシステムを開発した上で、それらの量子ビットを「コヒーレント状態」に維持し、さまざまな量子状態が同時に、かつ有用な作業を行うのに十分な時間、動作可能にするのが困難だったためだ。長い「デコヒーレンス時間」を得るために、量子コンピュータは外界からの完全隔離を余儀なくされてきた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス