IBMは米国時間10月9日、プロのプログラマーではない一般のビジネスマンがウェブアプリケーションを開発できるツールキットをリリースした。
「Mashup Starter Kit」というこのキットは「QEDWiki」ツールのアップデート版となる。これを使えば、一般のビジネスマンでも、ウェブ情報や社内データベースにアクセスしてさまざまな場所に保管されている情報を1つの画面に統合するマッシュアップアプリケーションを構築することができる。
同社は企業を顧客としており、ビジネスマン自身がさまざまな情報源を活用するアプリケーションを開発可能になるということに大きな可能性を見ている。
たとえば、保険外交員であれば、気象予報と社内の料率情報を組み合わせて保険料のモデルを作るといった応用が考えられる。
Mashup Starter Kitには、「Mashup Hub」というサーバコンポーネントとが含まれている。これは社内データベースにあるデータの参照を支援するコンポーネント。QEDWikiツールは、データにアクセスし、組み合わせるための視覚的に使えるフロントエンドだ。
IBMで新興技術担当ファーストプレジデントであるRod Smith氏によると、顧客と接触している中で、コンテンツへのアクセスがフロントエンド編集ツールに劣らぬほど重要であることに気づいたのだという。
Smith氏は、「Hubは、フィードを登録して評価できるWeb 2.0サイトにようなもので、必要なものがすべて載っているカタログだ。そういうものとしてHubを構想した。現場の人間は情報を統合するだけでなく、情報の鮮度なども管理したいのだ」と述べる。
このアプリケーションはスクリプト言語PHPで書かれており、利用者はPHPを使って、アクセス可能なフィードをカスタマイズすることができる。
製品はまだプレビュー段階にあるため、同社のalphaWorksサイトからダウンロードできる。同氏によると、2008年第1四半期には一般に提供される見込みである。
誰でもアプリケーションを開発できるというのは長年の夢だが、成功した例はほとんどなかった。
しかし、マッピングアプリケーションなどのWebサービスや強力なフロントエンド開発言語の登場で、プロの開発者の手を借りなくても、一般の人が強力なプログラムを開発できるようになっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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