撮影した写真から余計な背景(例えば、サッカーをしている自分の娘の後ろに写っている群衆など)を消去したい場合、従来は、Photoshopなどの高性能ソフトウェアでさまざまな選択をする必要があった。しかし、仮に所有するコンピュータが、撮影者が写真を撮影した時と同じように画像の奥行きを認識し、被写体の子どもから一定の距離にあるすべての背景を消去するようコンピュータに命令できたらどんなに便利だろうか。
最近、Adobe Systemsが公開し始めた技術は、上記のような使い方も可能だ。この技術は、先週Audioblog.frサイトに掲載された記者会見の映像でも見ることができる。
Adobeのデジタルイメージング製品開発担当バイスプレジデントのDave Story氏は、この技術のいくつかの機能を披露した。Story氏が最初に披露したのは、昆虫の複眼に似たレンズだ。このレンズは、複数の小さな画像をカメラに送る。その結果、複数のサブ画像付き写真が完成する。これらのサブ画像は、微妙に異なる視点から同時に撮影されたものだ。
そして、コンピュータはこれらの情報から撮影された光景のモデルを三次元(3D)で再現する。
次にStory氏は、ある画像がこの3D認識に基づいて大きく変化する映像を披露した。この画像は、一番手前に写っている像、手前の像と背景の中間に写っている像、そして背景の壁という3つの要素で構成されている。その映像には、ある人物が視点を左右に変化させた場合のシミュレーションが映し出された(しかし、その情報が複数の視点から撮影されていることを考えれば、視点を左右に変化させられるのは当然のことだ)。
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