携帯電話メーカー最大手のNokiaは米国時間10月1日、デジタルマップを提供するNAVTEQを81億ドルで買収すると発表した。このたびの買収はNokiaにとって最大規模のもの。
NokiaはNAVTEQ株を1株あたり78ドルで取得する計画で、買収資金は現金のほか借入金でまかなうという。Nokiaは6月末時点で、83億ユーロ(118億ドル)の現金と流動資産を保有していた。
世界最大の売り上げを誇る携帯電話メーカーのNokiaは、音楽やゲーム、ナビゲーションなどのソフトウェアやサービスを事業に加えようと力を注いできた。新しい収入源を作り出すこと以外に、Nokiaはこうした新しい試みを、競合他社の携帯電話との差別化要因とみなしてきた。
Nokiaは2007年にバルセロナで開催された3GSMトレードショーにおいて、同社初のGPS電話機「6110 Navigator」を発表した。また同社は、ユーザーが地図をダウンロードできるナビゲーションサービスも開始した。
ハンドセットに組み込まれたソフトウェアを利用して、消費者は現在の位置を地図上で確認したり、目的地を検索したり、道順を探したり、レストランやホテル、店舗などの近くのサービスを見つけたりすることができる。
Nokiaの最高経営責任者(CEO)Olli-Pekka Kallasvuo氏は声明で、ロケーションベースのサービスは「Nokiaのインターネット戦略における土台の1つ」と述べる。NAVTEQと力をあわせれば、コンテキストと地理情報をたくさんのインターネットサービスと組み合わせ、市場にすばやく投入できると、同氏は述べる。
Nokiaはまた、NAVTEQでは既存の顧客に対するサポートを継続するとしている。NAVTEQはNokiaのグループ企業として位置づけられ、その地図データ事業は独立して運営され続ける。
ナビゲーション端末メーカーTomTomが、NAVTEQ最大のライバルTele Atlasを18ユーロ(25億5000万ドル)で買収する意向を示した夏頃より、NAVTEQは買収対象企業とみなされてきた。
Tele AtlasはMapQuest、Google Mapsのほか、複数のナビゲーション端末向けに地図を提供している。Tele Atlasの収入の40%は、TomTomとの取り引きによるものだった。TomTomによるTele Atlasの買収が発表された際、多くの人はそのライバルであるNAVTEQがGoogleに買収されるのではないかと考えた。
Nokiaの株価は10月1日のニュース発表後、2.43%低下し、37.01ドルとなった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力