カカクコムは10月22日、運営する飲食店情報共有サイト「食べログ」のバックエンドシステムを刷新した。
サービスの開発速度向上などで定評のあるプログラミング言語「Ruby」を全面採用。大規模サイトでのRuby導入はこれまで、サイトの動作処理速度に問題があるとする見方もあったが、国内外における近年の導入事例を受け、処理速度に大きな問題は発生しないと判断した。
Rubyを全面的に導入したサイトとしては国内最大規模。開発環境をRubyに置き換えることで、今後は従来の2〜3倍となるサービス開発体制を確立し、カカクコムの別サービスでもRuby活用による効率的な開発体制の浸透を目指す。
10月19〜21日までの移行テスト期間を経て、22日から新システムの本格稼動を開始した。今後、月間380万人が利用する食べログは、Rubyをベースとしたウェブアプリケーション開発のパターンテンプレート「Ruby on Rails」ですべての開発が行われる。サイトのデザインも追って刷新する。
Ruby on Railsは既存のプログラミング言語に比べ、よりキレイに早くプログラムを組めることから、2005年の登場以降、注目されている。「設計書=プログラム」のようにビジネスロジックでプログラミングできるため、徹底したオブジェクト指向型言語として知られる。
また、記述済みのプログラムを確認しやすく、人的ミスを最小限に減らせるとして、継続的なメンテナンスにも優れているとされる。
ただ、これまでは処理速度に難点があるとされ、大規模な商業サイトでの導入には慎重な意見が多かった。しかし、米国ではTwitter、国内でも楽天が一部のサービスでRuby on Railsを採用するなど、商業サイトによる導入が急速に進んでいる。
同社事業開発本部事業開発部システム担当部長の宮島壮洋氏は「パフォーマンスに影響を及ぼすのはデータベース周り。データベースを改善すれば逆にパフォーマンスは相対的にあがるので、作業速度を向上できる開発環境にした方がいいと判断した。Ruby on Railsでも大規模サイトが運営できることを証明しつつ、Rubyのコミュニティーサイトにも積極的に参加するなど啓蒙活動をしていきたい」としている。
また、今後は同社の主力サイト「価格.com」への転用も視野に入れている。
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