インドのケララ州政府が、ITリテラシー向上のため、オープンソースソフトウェアに期待している。
声明によるとケララ州政府は、フリーソフトウェアとオープンソースソフトウェアを、包括的な情報社会構築を目指す取り組みにおける主要な戦略コンポーネントと見なしているという。
V. S. Achutanandanケララ州首相は「ケララ州は常にリテラシーのリーダーであったが、今度は、ITリテラシーのリーダーになりたい。フリーソフトウェアとオープンソースソフトウェアは、情報技術を大衆化し社会のあらゆる階層に利益を提供する上で、欠かせない原動力の1つになると考えている」と述べた。
インド南西部の海岸に位置するケララ州は、Red Hatと提携して、政府機関の技術スタッフや教員を対象にデスクトップ用Linuxやオープンソースアプリケーションのトレーニングを行う。LinuxベンダーのRed Hatは、州政府と協力して、ケララ州を世界的なオープンソースソフトウェア開発地域に成長させる取り組みも行う予定である。
Red Hat Indiaの社長兼マネージングディレクターNandkumar Pradhan氏は、ケララ州のオープンソースへの取り組みについて「オープンソースが持つ、自由と、柔軟性と、費用効果は、政府がIT予算を最大限に活用する手助けとなる」とコメントした。
ケララ州が学校や政府機関でのオープンソースソフトウェア利用を幅広く支援するようになったのは、インドの州政府の動きとしてはもっとも新しいものである。
タミルナドゥ州は2007年1月に、政府機関、学校、地方自治体にLinuxを導入する計画に着手しており、成果を挙げている。タミルナドゥ州はインド南東部の海岸に位置している。
Electronics Corp. of Tamil Nadu (Elcot)のマネージングディレクターC. Umashankar氏によると、新しいOSはユーザーにうまく普及しているという。
同氏は電子メールによるZDNet Asiaのインタビューで「Elcotのオフィスには200以上のデスクトップPCとノートPCがあるが、100%Linuxに切り替えた。デスクトップPCには『SUSE Linux』だけを搭載して配備している」と述べた。
同氏は、当初は変更に対する抵抗もあったが、1時間のオリエンテーションを行うと、ユーザーはソフトウェアに慣れたと記している。
Elcotはオフィス内にSUSE Linuxトレーニングセンターを開設しており、産業省から派遣された84人の職員が、第1陣として6月にトレーニングを受けた。トレーナーは政府機関でのオンサイトトレーニングも行う。
Umashankar氏は「将来に向けた当面の目安は、政府機関のユーザーがLinux OSを完全に受け入れることだ」と述べた。
タミルナドゥ州政府機関にはSUSE Linuxを搭載したデスクトップPC3000台以上が配備され、Windowsはどうしても必要な場合を除き支給されない。
Umashankar氏は「政府機関がWindowsを調達する場合、Windowsがなければ動かない既存のクライアントソフトウェアやサーバソフトウェアを挙げて、調達の必要性を示す必要がある。デスクトップPCで必要とされるのがオフィスアプリケーションだけであれば、SUSE Linuxだけが支給される」と述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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