カリフォルニア州サンフランシスコ発--Red Hatの最高経営責任者(CEO)Matthew Szulik氏は米国時間5月22日、ソフトウェア特許が技術革新のスピードを鈍らせていると述べた。
Szulik氏は当地で開催中のOpen Source Business Conferenceに集まった数百人の参加者らを前に、「ここ30年間を振り返ると、特許が革新を妨げているように思われる。業界の動きは、改善措置が講じられるよりはるかに速い。特許と技術革新の相互関係確立を実証する証拠はほとんどない」と語った。
Szulik氏は講演後のインタビューのなかで、ソフトウェア特許は技術革新のペースを「間違いなく」遅らせている、と発言した。しかし同氏は、フリーソフトウェアやオープンソースソフトウェアを支持する仲間たちのように、特許制度の廃止を呼びかけることまではしていない。その代わり、同氏は特許プロセスの見直しを呼びかけた。
Microsoftは先週、235件の特許を侵害している競合オープンソースベンダーの1社としてRed Hatを名指ししている。Microsoftは、2006年にLinuxベンダーのNovellと交わしたような特許のライセンス契約をRed Hatなどとも交わしたいと考えているが、今のところ実現しそうな兆しはない。
Szulik氏は講演で、オープンソースプログラマーが他者の特許を無視しているわけではないと強調した。Szulik氏は、「オープンソース業界のほとんどの著名人と話をする機会があった。彼らはいつでも知的財産、独自性、発明を尊重している」と語っている。
同氏はその後、235件という特許の数だけでなく、その具体的な内容も公表した方がMicrosoftにとっても有益だ、とも加えた。
Microsoftが特許を回避されるよりライセンス供与することを望んでいるという問題に話が及ぶと、同氏は「責任あるベンダーが、好きこのんで特許を侵害するはずがない。技術革新を尊重する姿勢を維持できるよう、どのような形であれ、回避策をとれるような情報が公開されると良い」と交わした。
Red Hat自身もソフトウェア特許を申請しているが、これらはあくまでも自己防衛の手段ととらえているという。Szulik氏は、特許は価値あるもので、「アイデアに独自性であれば、それが開発者やそれを支える組織にとって価値あるものであることに疑問の余地はない」と述べた。
Szulik氏は特許制度を見直す際には、検索データベースの改良、「特許と企業秘密のいっそうの明確化」、審査期間の短縮が必要だとしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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