SOA(サービス指向アーキテクチャ)教育をテーマとしてゲームが開発されている。
IBMは米国時間5月21日、ビジネスマンが仮想オフィスでより効率の良い会社の構築を目指すというストーリーの3Dビデオゲーム「Innov8」を発表した。
会社従業員の業務に対する理解不足を解消し、ビジネスプロセスを改善するというのが、このゲームのストーリーだ。
SOAとは、ビジネスをサービスという単位でモジュラーとして実装し、これらをリンクさせる手法でソフトウェアを設計するという考え方。SOAはプロセスの改善に有効な手法とされている。
IBMのSOAおよびWebSphere戦略、そしてマーケティングを担当するバイスプレジデントのSandy Carter氏は Innov8がビジネススクールで開催されたコンテストから生まれたと述べる。このコンテストの課題として学生に与えられたのが、業務スタッフやIT担当者にBPMやSOAのコンセプトを教えるための優れた手法を開発することだった。
「業務やITの担当者(にBPMを理解させる)には、シミュレータやゲームを取り入れる必要がある。いまどきの人はそうやって学習するからである。こうしたアプローチは視覚的なものであること、そして楽しめるものであることが求められる。またビジネスマンは競争が好きだという話もある」とCarter氏は語っている。
このゲームでは、最高経営責任者(CEO)から一連のタスクを任される。ユーザーは、ビジネスプロセスを理解し、効率を下げているボトルネックを探し出す。
参加者はジョイスティックを使って仮想オフィスのなかを移動する。社内でコールセンター部門などにいる従業員と会話をしながら問題を探り当て、幹部らに報告を行う。
そして最後に、従業員には仕事の成果に基づいた点数が与えられる。
IBMは、フロリダ州オーランドで開催中のIMPACT 2007カンファレンスでInnov8のプロトタイプを公開した。同カンファレンスではソフトウェア担当幹部らがSOA関連製品やサービスの強化も発表している。
Carter氏によると、Innov8の最初のバージョンは9月には完成する見通しだという。IBMは、点数の比較やオンライン対戦が可能な、Second Life似の環境を使ったオンライン版を開発する意向だ。
利益成長の大半をソフトウェア事業に依存するIBMにとって、モジュール型システムの設計やプロセス分析ができる人材の確保が課題になっている。また、ソフトウェアやサービスを販売するうえでは、ビジネスや技術環境を理解した顧客の存在が欠かせないとIBMは述べた。
SOAプロジェクトに着手する企業は、自社のビジネスプロセスを調査して、顧客の与信などの個々のサービスがほかのプロセスと簡単に組み合わせられるようソフトウェアを開発するのが一般的である。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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