ライセンス認証事業などを展開するインターレックスは5月14日、PCソフトの使用権を店頭で購入できるソフトウェア流通基盤システムを開発したと発表した。
従来、店頭でPCソフトを購入すると、ユーザーはCDなどのメディアと若干の印刷物が入ったパッケージを持ち帰ることになる。販売店にとって、パッケージは在庫や販売スペースの負担であり、メーカーにとっても製造コストなどの面で合理的とはいえず、PCソフト流通の課題となっていた。
今回開発されたシステムでは、ユーザーが店頭で購入して持ち帰るのは、ソフト使用権が証明される「L.A.C(License Agreement Card:ラック)」と呼ばれるテレホンカードサイズのカード。ソフト自体は専用のダウンロードサイトから入手し、PCにインストールする。
また、このシステムでは、インターレックスが開発したデジタル著作権管理(DRM)技術「Buddy(バディ)」を活用し、ソフトの使用権を管理する。使用権を購入したユーザーは、いつでも何回でもファイルを無料でダウンロードでき、PCの買い換え時やOSの入れ替え時でも、簡単にソフトをインストールできる。CDなどのメディアを保管しておく必要がないため、紛失や損傷などの不安から開放される。
販売店では、パッケージのサイズに左右されず、柔軟で効率的な売り場の活用が可能となる。また、PC本体を買い求めるユーザーに対して、コンパクトなL.A.Cとのクロスセルの促進が期待できるという。
ソフトメーカーや流通会社にとっては、パッケージの製造費や在庫、物流にかかるコストが大幅に軽減され、より競争力のある価格でソフトを提供できることになる。Buddyを使ったライセンス管理により、販売量や在庫の管理精度を向上させ、正規ユーザーの正確な把握が可能になるとしている。
インターレックスでは、L.A.CによるPCソフト使用権販売の方式によって、ユーザーや販売店、メーカー、流通会社のそれぞれがメリットを享受できる新しいソフトウェア流通が実現し、業界の活性化に貢献できると考えている。さらに、BuddyのDRM機能の応用で、ワンタイムライセンスなどソフトウェア利用の多様性を実現することも容易になり、さまざまな場所で柔軟な販売方法が可能になることから、ソフトウェアに関わる新しいビジネスの創出にもつながると説明している。
L.A.C対応のPCソフト販売は、インデックス・グループのソフトメーカーであるインターチャネル・ホロンが採用。第1弾として、同社のPCソフトウェア「脳力トレーナー脳年齢脳ストレス計アタマスキャン」や「iPodでどこでも英会話」など17商品が、大手家電量販店の上新電機J&Pテクノランド(大阪市浪速区)で販売されることが決まっている。
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