「新しい技術は、新しい可能性を広げる」--マイクロソフトが「NPO Day 2007」を開催

山下竜大(編集部)2007年05月15日 07時49分

 マイクロソフトは5月14日、NPO(NonProfit Organization:特定非営利活動法人)に対し同社の取り組みを紹介し、より実践的なIT活用についての情報を提供する「Microsoft NPO Day 2007」を都内で開催した。同イベントは、2006年の東京、大阪、福岡での開催に続き第2回目となるもの。今年は、6月に名古屋、札幌でも開催される。

 マイクロソフトでは2006年4月に、企業市民活動の一環として「デジタルデバイドの解消」を目的に、行政や企業と共に活動するNPOを支援する「NPO-J」を発表。NPOなどの市民活動団体がITの活用により活動を効率化するための支援を行っている。NPO Dayは、その取り組みのひとつで、2006年4月に開催された第1回には、Microsoft会長兼チーフソフトウェアアーキテクトのBill Gates氏も参加した。

マイクロソフトのDarren Huston氏 マイクロソフトの代表執行役社長、Darren Huston氏。

 NPO-Jは、ITを活用することでNPOの活動を強化するための支援策。財政支援、ITインフラ整備、ITスキル提供、情報提供の4つを柱に展開している。

 たとえば、財政支援では、2002年より1団体あたり最大で300万円を助成する「マイクロソフトNPO支援プログラム」を31団体に適用したほか、ITインフラ整備を目的とした「リユースPC寄贈(Microsoft Authorized Refurbisher:MAR)プログラム」やITスキル向上」を目的とした「デジタル リテラシー カリキュラム」の実施、情報提供のためのポータルサイト「NPO Plus」の運営などを行っている。

 基調講演に登場したマイクロソフトの代表執行役社長、Darren Huston氏は、「マイクロソフトのミッションは、世界中のすべての人々と、ビジネスの可能性を最大限に引き出すための支援をすることであり、NPO支援はその一環となるもの。誰もがITの恩恵を受けることができる社会を実現するための“デジタルインクルージョンの推進”にフォーカスしていく」と話す。

 「日本は、IT先進国とは言われているものの、ITの恩恵を受けているのは大企業中心で、中小規模の企業や政府/自治体、教育機関、NPOなどには、欧米に比べてギャップがある。マイクロソフトは、デジタルデバイドを解消し、デジタルインクルージョンを推進するための“触媒”になりたいと思っている」(Huston氏)

 そのためには「人へのコミットメントが重要」(Huston氏)であり、ITを活用した共同作業の簡略化やコンテンツの保護と管理、情報の検索とビジネス対応力の向上、コスト削減とセキュリティの強化などに取り組んでいくことが必要という。Huston氏は、「マイクロソフトだけで、すべてが実現できるわけではない。NPOや政府/自治体、企業などと協力しながらNPO活動を支援していきたい」と話している。

 このような取り組みのひとつとしてマイクロソフトでは、2006年12月に「市民活動を支える制度をつくる会」(シーズ)との協力により、「NPO・IT推進協議会」を発足している。NPO・IT推進協議会では、企業やNPO支援団体、IT技術者コミュニティ支援団体などと連携しながら、NPOへの総合的なIT支援を提供している。

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