IDGジャパンは3月28日、国内では初の開催となるSaaS(Software as a Service)専門のカンファレンス「SaaS World Conference & Demo 2007」を都内で開幕した。同カンファレンスは、明日29日まで開催されている。
オープニングのステージに登場した経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課長、鍛冶克彦氏は、「当初は、SaaSは時期尚早のためカンファレンスへの参加を断ろうと思っていた。しかし、SaaSについて調べてみると、今後非常に重要な技術であることが分かり参加することにした」と話す。
経済産業省では2001年1月に、「5年以内に世界最先端のIT国家になる」ことを目標に、「e-Japan戦略」を策定。インフラやルール整備からITの利活用に重点を置いた取り組みを展開してきた。さらに2006年1月、「世界を先導するフロントランナーになる」ことを目指し、「IT新改革戦略」を策定。7月には戦略を具現化するアクションプラン「重点計画-2006」を策定し、施策の推進に取り組んでいる。
特に現在取り組んでいるのが、次の3つ。
鍛冶氏は、「これまでのIT経営は、コスト削減や生産性向上を実現するための“守りのIT”だった。今後は、売り上げを増やし、ビジネスを拡大するための“攻めのIT”に投資することが重要になる。また、すでに定着しつつある電子商取引をRFIDなどの技術を活用してさらに促進することが必要だ。さらに、ビジネスがグローバル化する現状では、IT化により国際競争力を強化することも不可欠になる」と話す。
「このような取り組みにおいて、特に中小規模の企業が効果的にITに投資していくためには、SaaSモデルは非常に有効な手段となる。SaaSモデルの促進により、IT改革への夢が大きく膨らむことになる」(鍛冶氏)
しかしSaaSモデルにも課題がないわけではない。鍛冶氏は、「他のソフトウェアとの相互運用性は確立できるのか、スケーラビリティは十分なのか、信頼性やセキュリティは大丈夫なのか、といった課題はまだまだ残っている。こうした課題に対し、政策を提供する立場からしっかりとサポートしていきたい」と話している。
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