NECはこのほど、携帯電話のユーザー位置情報と連携して、システムへのアクセス制限や通話料金の課金先の切り替えなどをサービス提供者自身で設定できる通話サービス制御システム「ロケーションコール」を開発したと発表した。
このシステムは、インターネット網に接続されるロケーションコールサーバと、通常の電話網に接続される汎用SIPサーバ、および発信者の携帯電話端末内のアプリケーションで実現したもの。これにより、たとえば大型店舗において、利用者が店員を探すことなく自らの携帯電話で売り場の担当店員を呼び出したり話をしたりすることができる通話サービスを、利用者へ通話料金の負担をかけずに提供することができる。
具体的には、まずサービスの利用者が携帯電話端末上のアプリケーションを操作することで、通話サービスの利用要求と位置情報がロケーションコールサーバに送信され、ロケーションコールサーバがユーザーの位置情報に基づいて受け付け可否を判断する。
ロケーションコールサーバは、利用要求を受け付けると判断した場合に、ユーザーの位置情報をもとにサービス提供者側が通話料金を負担する着信課金の電話番号または通常の発信者課金の電話番号を選択し、端末アプリケーションに通知。ユーザーが発信を許可すると、通知された番号を用いて端末アプリケーションがロケーションコールサーバに発信する。
あらかじめゾーンごとに割り当てられた発信者番号から、ユーザーが施設内のどのゾーンから電話しているかを判別する。ロケーションコールサーバはSIPサーバと連携し、ユーザーの端末アプリケーションから発信された通話を発信者の位置情報に対応した発信者番号をつけて転送。店員などの通話相手は着信時にユーザーの位置情報を発信者番号通知で確認できる。
このシステムにより、ユーザーは自分の状況に応じた適切なサポートを無料で受けられるなど、新しいサービスを利用できるようになる。また、サービス提供者側も自社が保有するエリア内に限定した特別な通話サービスを提供できるようになり、ユーザーの現在位置などを知ることができるため、適切なサポートをタイムリー、かつ効率的に提供することが可能になる。
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