日本SGIは1月25日、人間の声から感情状態のレベルを10段階で検出できる「ST Emotion(エスティー・エモーション)」を開発し、ST Emotionを組み込んだアプリケーションを開発するためのツールキット「ST Emotion SDK」を販売すると発表した。
ST Emotionは、日本SGIが関連会社となるAGIと共同開発を進めている、コンピュータに人間の感性を理解させて反応させる感性制御技術「Sensibility Technology(ST)」のコアエンジンを刷新した技術。
アプリケーション開発用のツールキットST Emotion SDKは、プラットフォームとしてWindows XP/2000のほか、新たにLinuxに対応。価格は100万円からとなる。
従来のSTでは、人間の感情状態のうち「喜び」「怒り」「哀しみ」「平常」「興奮」「笑い」のそれぞれの感情分析結果を、「あり」「なし」の2段階で検出していた。今回のST Emotionでは、それぞれの感情を10段階のレベルで検出することが可能。「非常に怒っている」「少し怒っている」というような微妙な感情状態の認識ができるとしている。
また、複数の聞き手の主観が一致しやすい音声に着目し、最適化することでコアエンジンを刷新。STの分析結果と、聞き手が期待する結果の一致する確率が高まり、体感の向上を実現したとしている。
STの技術は、これまで自動車業界、放送業界、大学および研究機関やコールセンターなどのサービス分野で利用されており、日本SGIは今後、エンターテインメント分野をはじめ、サービス、モバイルサービス、ロボットなどを中心にST Emotion SDKを積極的に販売していく予定。また、STエンジンの個別カスタマイズとアプリケーション開発、コンサルティング・サービスを提供するとしている。
日本SGIは、これまでにNECとNECデザインとともにSTを組み込んだ、人間の感情を光で表現する「言花(KOTOHANA)」を開発。また声によって部屋の環境や機器の操作を制御する「空間ロボット RoomRender」の空間演出機能である「FeelingWall」におけるコアエンジンとしてもSTを応用していくとしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力