IBMの「Lotus Notes」とMcAfeeの「VirusScan Enterprise」を併用している場合、VirusScan Enterpriseを最新版にアップグレードするには注意が必要だ。
IBMの電子メールクライアントLotus Notesを搭載するPCにMcAfeeのVirusScan Enterprise 8.5iをインストールすると、ユーザーは自分のメールボックスからロックアウトされる可能性がある、とIBMとMcAfeeの両社は認めた。Lotus Notesは、人気の電子メールアプリケーションで、特に大規模な組織内でよく利用されている。世界第2位のウイルス対策企業であるMcAfeeは、2006年11月末にVirusScan Enterprise 8.5iをリリースした。
カリフォルニア州のある企業に勤務するIT管理者は匿名を条件に、「(VirusScan Enterprise 8.5iへの)アップグレードを行うと、ユーザーは(メールボックスから)ロックアウトされ、Notesのエラーが発生する。その場合、再起動もできず、Notesを再インストールする必要がある」と述べた。また同氏は、「この問題により、われわれの会社のヘルプデスクへの問い合わせが通常よりも増えた。その結果、この問題を原因とする会社のコストは、時間の経過とともに増加している」と付け加えた。
McAfeeとIBMの両社は、この問題に関するサポート情報を発表した。その情報によると、Lotus Notesのバージョン6および7を搭載するシステムで問題が発生するという。
McAfeeの最新の警告によると、(VirusScan Enterprise 8.5iと)Lotus Notesを同時に使用すると、数時間後に「You are not authorized to perform that operation(その操作を実行する権限がありません)」というエラーメッセージがポップアップ表示されるという。このポップアップ表示を閉じることは可能だが、その後はNotes内では何も出来ず、一度同アプリケーションを終了し、再起動しなければならないという。そして再起動後しばらくすると、また同じ問題が発生するとしている。
McAfeeの関係者は、米国時間1月22日に発表した声明の中で、「この問題の影響を受けるのは、Lotus Notesを使用しており、さらにMcAfee VirusScanの最新版をインストールしたごく少数の顧客に限られる」とし、さらに「McAfeeのエンジニアリングチームはこの問題の解決に向け、懸命に取り組んでいる。また顧客にはその後の進展状況を逐一報告する」としている。
現在、この問題について、決定的な解決策はない。そのため、VirusScan Enterprise 8.5iのサポート記事では、同ソフトウェアの「scan all server databases(全てのサーバデータベースをスキャンする)」と「scan server mailboxes(サーバメールボックスをスキャンする)」の2つの機能を無効化するよう、次善策として提案している。
IBMのサポート情報では、別の次善策として、「VirusScan Enterprise 8.5iを完全に無効化する」ことを紹介している。
IBMのLotusソフトウェア部門の関係者は22日、「われわれは製品サポート問題を大変真剣に受け止めている。この状況について懸命に調査し、顧客の問題解決を支援していく所存だ」と語った。
この問題の被害を受けた前述のカリフォルニアの企業では、サポートスタッフがMcAfee VirusScanの旧バージョンへの入れ替え作業に追われている。「われわれが講じた対策で唯一うまくいったのは、8.5iを削除し8.0iにダウングレードすることだ」と同社IT管理者は述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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