Sun Microsystemsは先週、Fortressという新しいプログラミング言語の作成に関し、社外の支援を得るために、新たなオープンソース化の動きを取り始めた。
同社は米国時間1月9日、Fortressプログラムを1行ずつ実行するプログラミングツールであるFortressインタプリタのプロトタイプをオープンソースソフトウェアとしてひそかに発表した。Sun Labsのコンピュータサイエンティストで、FortressプロジェクトリーダーであるEric Allen氏は、オープンソースとしたことについて「教育機関やサードパーティの協力を得るのがその目的だ」と述べた。
Fortressは、Fortranに代わる新しいプログラミング言語として設計されている。Fortranは、50年前にIBMによって作成されたプログラミング言語だが、現在でも気象予報など高性能コンピュ−ティングの分野では非常によく利用されている。
Fortressは、国防総省が資金を提供するスーパーコンピューティングプロジェクトの一環として設計されたものだが、マルチコアプロセッサに見られる新しい処理エンジンに対応するなど、主流なコンピューティング分野にも対応している。
「われわれはもちろん、現在の高性能コンピューテイング市場での普及を期待している。通常のデスクトップシステムにおいてもマルチコアがますます重要になってくるにつれ、プログラマーもハードウェアが提供する性能を活用するためにFortressのような言語へと移行することになる」とAllen氏は述べた。
IntelやAdvanced Micro Devicesが今日提供する主な「x86」チップは2基または4基の処理コアを搭載している。また、Sunの「Niagara」チップは8基のコアを搭載し、近々16基へと拡張される予定である。しかしソフトウェアを、これらのコアや複数のプロセッサ上で並列に実行するために、独立した単位に分割することは難しい。
IlluminataのアナリストGordon Haff氏は、「ある種の負荷に対しては、すでにコンピュータ業界ではうまく対処できている。例えばGoogleは並列プログラミングの問題に対処している」と述べた。「ある種の負荷は、うまく分割可能だ。しかし多くの場合はそうはいかない。並列処理の実現は、古くから存在するコンピュータ科学の課題である。ある程度の進歩は見られたが、まだまだ解決には至っていない」(Haff氏)。
Sunは、Fortressによりこの問題が解決できるのではないかと考えている。
「Fortressは魔法の粉というわけではない。しかしこの言語を利用すれば、プログラムを全般的にマルチコアで処理しやすい形式で記述することができる」とAllen氏は述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」