Linuxディストリビューションの1つである「Debian」は、次期バージョンが12月4日までにリリースされる予定だったが、既に2週間以上の遅れが出ている。
現在、Debianのリリースマネージャーのうち1人が、カギを握る複数の個人を非難し始めている。
Andreas Barth氏は、米国時間12月18日に投稿したブログに、「これまで大きく貢献していた数人が、作業量を一気に減らしてしまった。私としてはどうしようもなく、当時は今回のリリースに私が全面的に関与するはるか前のことだった。だが、全体的にはまだその影響が残っている」と書き込んでいる。
Barth氏と、同じくリリースマネージャーのSteve Langasek氏は、「Etch」というコード名を持つDebianのバージョン4をフルタイムで開発する見返りに各自最高6000ドルの資金を受け取り、数カ月前から非難の的になっている。
Barth氏とLangasek氏が受け取った資金は、Etchのリリースを早める目的で設立された「Dunc-Tank」という「実験団体」によって集められた。
しかし、無償で貢献する多くの開発者を怒らせた同団体の設立は裏目に出たかもしれない。開発者らは、Dunc-TankはDebianを2つの階層に分断しつつあり、これが同ディストリビューションに悪影響を与える可能性がある、と主張する。一部には、これら2人のリリースマネージャーに辞任を求める声がある。
有名なDebianの保守管理者Joerg Jaspert氏を筆頭に、17人の開発者で構成するあるグループは10月、Dunc-Tankに対する幻滅を示す立場表明を出した。そこには、「この行動全体はもはや、Debianに貢献するより、むしろ打撃を与えている。これを受けて、膨大な時間と労力を費やしてDebianに貢献してきた多くの人々が既に作業量を減らしている。彼らはプロジェクトを去り、パッケージを見捨て、システムの運用やセキュリティの作業を縮小している。あまり批判の声を上げない多数の保守管理者も、Debianの作業を後回しにし、ほかの開発に従事している」と書かれていた。
しかしBarth氏は、Dunc-Tankが一方的に悪いわけではないことを強調した。同氏は自身のブログに、「Dunc-TankはEtchのリリースに貢献したが、一部の子供じみた行動がなければ、もっと貢献できていたと思う」と書いている。
Barth氏は「大半」の開発者の関与には満足しており、スケジュールの遅れには別の要因があることを明らかにした。ただし、同氏がこれらの要因について詳しく述べることはなかった。
Barth氏は、「少なくともDebianでは、すべてを褒めちぎるようなありふれた管理ミスは犯さず、正直な意見を出し合いたいと思う」と加えた。
Etchは現在完全に機能確定しているが、リリース日は一切明らかにされていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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