Microsoftによれば、米国時間11月14日に予定しているセキュリティパッチリリースと同時に、IEの新版であるバージョン7を提供する予定はないという。その代わり向こう3カ月間をかけて、何億人ものユーザーに対して徐々に配布するつもりだと、同社は話している。
MicrosoftのIE製品管理部門ディレクターGary Schare氏は、英語版の「Windows XP with Service Pack 2」を利用し、「Automatic Updates」を有効にしているユーザーには、1月末までにIE 7へのアップグレードを促すメッセージが表示されると述べた。メッセージはユーザーのモニタにポップアップする形で表示され、新ブラウザが優先的にダウンロードされるようになるという。
MicrosoftがIE 7は11月にAutomatic Updatesを介して配布すると明言したことから、一部では、同ブラウザが同社の月例パッチリリースの一環として提供されるのではないかという憶測が広がっていた。IE 7は、抜群の人気を誇る同社のウェブブラウザのメジャーアップデートとしては、5年ぶりのものとなる。ダウンロードサイズは約15Mバイト。
「ユーザーは14日にセキュリティアップデートを受け取ることになるが、必ずしも同時にIE 7を入手できるというわけではない。全ユーザーに迅速かつ確実にセキュリティアップデートを届けるため、IE 7を大量に配信するつもりはない」(Schare氏)
IE 7はAutomatic Updates経由で配信される予定だが、インストールするかしないかは、ユーザーが任意に選べる。Automatic Updatesはまず、IE 7がダウンロードできることをユーザーに知らせる。その後、同ブラウザの主要機能を紹介し、インストールの実行もしくは非実行および延期を選択する画面が現れる仕組みだ。
Microsoftでは、先週からIE 7の配布を開始している。Schare氏によれば、現時点までにアップグレード通知を受信したのは、Windows XPユーザー全体のわずか1%であるという。「昨日メッセージを受け取ったユーザーもいれば、2007年1月10日に通知を受けるユーザーもいるだろう」(Schare氏)
IE 7に関するメッセージをPC画面上にポップアップさせたくない場合は、対策が必要となる。2006年7月、Microsoftは同ブラウザの自動配信を止める特別なツールを提供している。同ツールは、IEをアップデートする準備が整っていない企業ユーザーのために開発されたものである。これは、例えば、同ブラウザが特定のカスタムウェブアプリケーションとの連携において不具合を乗じる可能性があるためだ。
Schare氏も、「多くの企業がIE 7の導入を遅らせると予想している」と話した。Microsoftは、Windows XP向けのService Pack 2を自動アップデート経由で配布したときにも、同様の経験をしている。大半の組織は、IE 7の導入を、「Windows Vista」へのアップグレードの一部してとらえている。Vistaは2007年1月に一般提供が始まる予定で、これにはIE 7も同梱されることになる。
IE 7の配布は任意に行われ、配布経路はセキュリティアップデートと同一となる。配布過程で特に問題が発生しなければ、Microsoftはアップグレードのペースを速める意向だと、Schare氏は述べた。北米などの地域では、IE 7に関する電話サポートも実施されている。
現在までに配布されたIE 7は、英語版に限られていた。Microsoftの公式サイトに掲載された告知によると、ドイツ語、フランス語、スペイン語、フィンランド語、ブラジリアンポルトガル語、アラブ語のバージョンは、11月15日にリリースされるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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