TrolltechがLinuxベースの携帯電話「Qtopia Greenphone」を開発者コミュニティに向けて発表してからわずか数カ月後、プログラム可能でオープンなLinuxを採用した携帯電話の2機種目が登場した。
オランダのアムステルダムで現地時間11月7日から8日にかけて開催されたカンファレンス「Open Source in Mobile」の中で、台湾のハードウェアメーカーFirst International Computer(FIC)のSean Moss-Pultz氏は、「OpenMoko」というLinuxベースの環境を実行するスマートフォン「Neo1973」を紹介した。
Moss-Pultz氏は7日、「このモバイル向けエコシステムは初めて、PCと肩を並べるほどオープンになるだろう。モバイルアプリケーションも等しく多様で、さらに利用しやすくなるだろう」と語った。
8月に発表されたTrolltechのGreenphoneと同様に、Neo1973の背景にある発想は、自由にプログラムできるLinuxベースの携帯端末を開発者に供給することで、アプリケーション開発が可能な環境を整備するというものだ。FICは2007年中のNeo1973の発売を目指しているとみられる。
Neo1973は、本体の形がPDA風で、ストレートタイプのGreenphoneとは大きく異なる。価格は約350ドルで、Greenphoneの半分になる見込みだ。
Neo1973はGSM方式(850MHz、900MHz、1800Mhz、1900MHz)に対応するため、ヨーロッパ、米国、大半のアジア地域で利用できるはずだ。
モバイル向けオープンソースソフトウェア企業のFunambolは、Neo1973に電子メールおよびモバイル用アプリケーションを提供すると発表した。同社の最高経営責任者(CEO)Fabrizio Capobianco氏は「世界最大のモバイル向けオープンソースプロジェクトに、完全にオープンな携帯電話をマスマーケットに提供するという確約のもと、世界最大のオープン設計メーカーが加わった」と語った。「われわれは、OpenMokoやFICの担当者らとこの先駆的なプロジェクトで協力することを楽しみにしている」
Open Source in Mobileの会場で、Trolltechの製品ディレクターAdam Lawson氏はZDNet UKに対し、FICのプロジェクトは「Linuxがモバイル分野で成功するという見方をさらに強化するものだ」と語った。
さらにLawson氏は、「われわれは素晴らしい考え方を独占しない。コミュニティと連携しようとする他の試みが登場して喜んでいる」と話す一方で、Moss-Pultz氏のプレゼンテーションについては「答えよりも多くの疑問を喚起した」という見方も示した。
Lawson氏は、完全にプログラム可能なLinux携帯電話をマスマーケットに持ち込むというアイディアの問題点を指摘し、「エンドユーザー向けの機器として売り込むことを真剣に考えているならば、認証についてはるかに多くの配慮が必要になる」と警告した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス