ワシントン州レドモンド発--Microsoftは米国時間11月2日、2週間ほど前に発表したライセンス条件の変更を撤回し、店頭販売版Windows Vistaのライセンスを別のコンピュータに移管する回数は制限しない、と明言した。
Microsoftは10月16日、店頭で購入したパッケージ版のライセンス移管回数制限などが規定されたVista向けの新しいユーザーライセンスを公表した。提案されたライセンス条件では、移管が1回に制限されていた。しかし、この新しい制限にハードウェアファンなどから抗議の声が上がった。そこで、Microsoftは、ライセンス供与条件を基本的にWindows XPユーザー向けの内容に戻そうとしている。つまり、これまで使っていたマシンからアンインストールして使用を停止することを条件に、ライセンスは新しいPCに何度でも移管できる。
Microsoftは、直接寄せられた意見や、ブログへの書き込みなどの反応に耳を傾けた結果、判断の撤回を決めたという。内容の変更を自社が取り組む著作権侵害対策に役立てようと考えていた。
MicrosoftのプロダクトマネージャーMike Burk氏は、「われわれは、著作権侵害に対抗する意志を完全に明確にしようとしている。だが同時に、得られたフィードバックを検討したところ、今回の変更も必要だと感じた」と語っている。
Burk氏によると、判断撤回により、PCの部品を頻繁にアップグレードするマニアを中心に、ユーザーの懸念を和らげたい、というのがMicrosoftの考えだという。部品をアップグレードすると、Windowsがこれを新しいPCと認識する場合がある。
移管回数を制限する計画は、Vistaの店頭販売版に適用される変更の一部であり、新しいPCに搭載されるVistaのライセンスには適用されない。新しいPCにプレインストールされるWindowsには別の条件が適用される。大半のユーザーは、このような形でWindowsを入手する。新規購入したPCに搭載されたWindowsは通常、ライセンス上はほかのPCに移管できない。
Burk氏によると、複数のOSや、同じOSの複数のコピーをコンピュータが同時に運用する仮想化に関するものなど、ほかのライセンス条件に関しては内容を見直す計画はないという。
新しいライセンス条項では、プライマリOSやホストOSにはWindowsのどのバージョンでもなれる。しかし、仮想化のゲストOSになれるのはVistaの「Business」エディションおよび「Ultimate」エディションのみとなる。
Burk氏は「ほかの部分に変更を加える予定はない。ただ、ユーザーの意見には今後も耳を傾け続ける」と語っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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