主要家電メーカー各社は米国時間10月31日、高品位(HD)AV信号をワイヤレス伝送する新規格の共同策定を発表した。
LG、松下電器産業(パナソニック)、NEC、サムスン電子、ソニー、東芝、そして半導体メーカーのSiBeamが支持するWirelessHDデジタルインターフェースは、テレビ、DVDプレーヤー、ゲーム機などの家電製品と、各種ポータブルデバイスとの間で、ケーブルを使わずにAVコンテンツの高速ストリーミング伝送を実現する。同団体では、この仕様を2007年春にリリースする計画だ。
WirelessHDの議長を務めるJohn Marshall氏によると、この技術の応用にはテレビが「うってつけ」だという。同技術は将来的に、ノートPC、デジタルビデオレコーダー、次世代ディスクプレーヤー、デジタルオーディオプレーヤー、およびデジタルカメラなどのソースデバイスに搭載されていくことになる。また、デジタル映像が非圧縮なため、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)やDVI(Digital Video Interface)ケーブルなどと同じ使い勝手になると、同氏は語っている。
同仕様は映像の品質を高く維持し、家電製品間の相互運用性も保証して、信号の干渉も防止するほか、既存のコンテンツ保護技術も採用すると、Marshall氏は語っている。
WirelessHDは許可を受ける必要のない60GHzの無線周波数帯を使い、非圧縮のHD映像や音声を5Gbpsで最大30フィート(約9m)の距離(一般家庭の室内程度)まで伝送する。ワイヤレスAV伝送の大半は2.4〜5GHzの帯域で行われているが、これでは高品位コンテンツに要求される高速伝送が実現できない、 とWirelessHDは話している。
WirelessHDによると、古くから軍用艦同士の通信に利用されていた60GHz帯は、消費者向けのワイヤレス伝送用としてはこれまで人気がなかったという。理由はコスト的に高く、運用が難しいケースが多かったためだが、低コスト製造技術にいくつか進展があったため、状況が一変したという。
Tzeroは9月、テレビと各種コンピュータ関連機器間でのHDコンテンツ伝送用として、Analog DeviceのJPEG2000ビデオ圧縮技術を使ったUltra Wideband(UWB)技術の開発を進めていることを発表した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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