サンフランシスコ発--Web 2.0がOracleの「Project Fusion」の原動力となっている。同社の最高幹部が米国時間10月25日に述べたところによると、Oracleは買収で取得してきたさまざまな技術を、Fusionで統合していく予定だという。
Oracleのアプリケーション開発担当シニアバイスプレジデントであるJohn Wookey氏は、当地で開催されているOracle OpenWorld 2006 San Franciscoで、サービス指向アーキテクチャ(SOA)がFusionのもう一つの鍵となる、と語った。Fusionプロジェクトの狙いは、People Soft、J.D. Edwards、Siebel Systemsの技術を統合することだ。Oracleは、最初のFusionアプリケーション群を2007年にリリースし、2008年には「Fusion Applications Suite」を送り出す予定だ。
Wookey氏は基調講演で、「技術は変化し、進化し続けている。われわれは、顧客が業務を遂行する能力をどう高めていけるかを問い直した」と述べた。
同氏はまた、インターネットと共に育ってきた世代の従業員が増えてきている、と指摘した。このことは、こうした従業員が、コラボレーションツールやインスタントメッセージング、検索、その他のネットワークに関連した技術を、統合された仕事環境のツールの一部として求めているということを意味している、と同氏は続けた。
Oracleは、Fusionアプリケーションがデスクトップ上で重要な位置を占めるようにしていきたいと考えている。Wookey氏はデモンストレーションの中で、同社のアプレットを紹介した。このアプレットは、ユーザーがOracleデータベースなどのデータソースと連結したツールを使用している場合、デスクトップに常駐し続けるというものだ。
例えば、「Microsoft Outlook」で売り上げに関する情報を調べているとき、同アプレットが、Oracleのデータベースから関連情報を引き出し、ユーザーにそれを提供することができる。
「Fusionによって、ユーザーの情報をいつも最新のものに保つことができる」とWookey氏は述べた。
Fusionによって、Oracleアプリケーションを所有していない顧客とも情報を共有することができるようになる、と同氏は付け加えた。例えば、営業担当者が見積もりを顧客に送ると、顧客がそれを同じユーザーインターフェースを通じて確認することができるようになる。顧客が担当者との連絡を可能にする専用タブをクリックすると、営業担当者とインスタントメッセージで会話することができる、といった具合だ。
Wookey氏は同時に、Oracleが買収によって得た顧客や、Fusionへの切り替えに消極的な顧客を、どのように維持していくかという計画も示した。
Oracleは、PeopleSoft、J.D. Edwards、Siebel Systemsのソフトウェアに今後もサポートと投資を続ける予定であると同氏は述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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