Adobe Systemsは、ソフトウェア開発プラットフォームの普及を目的に、ベンチャー企業に1億ドルの出資を計画している。特に重点が置かれる「Apollo」は、ブラウザを使わずにウェブアプリケーションを実行できるようにする技術である。
ネバダ州ラスベガスの開発者会議「MAX 2006」に集まったAdobe幹部らは米国時間10月24日、新興サードパーティーソフトウェアベンダーに今後3〜5年間にわたって出資する計画を明らかにした。同社はまた、Apolloなどの各種開発関連ツールのプレビューバージョンもリリースした。
Apolloは、「Adobe Flash」のようなダウンロード型「プレーヤー」で、Windows、Macintosh、あるいはLinux上でウェブアプリケーションを実行する。
一方、Flashと異なるのは、ブラウザが無くてもウェブアプリケーションが動作し、ほかのデスクトップアプリケーションと同じように機能する点だ。つまり、例えば、アプリケーションはオンラインでもオフラインでも機能し、ローカルに保存したファイルを扱うこともできる。
Apolloはバージョン1.0が2007年前半にリリース予定だ。Apolloの投入は、ウェブ開発者やインターフェースデザイナーに選ばれるプロバイダーとなることを目指すAdobeが、開発者への働きかけを強めていることを示す。
Adobeの最高経営責任者(CEO)、Bruce Chizen氏は自身の基調講演で、あらゆる構想のなかでもApolloの投入には最大の期待を寄せている、と明かした。その後も、同氏や同社幹部らから同様の意見が繰り返された。
今日のウェブ環境はユーザーインターフェースが良くなっているが、その利点を生かしているウェブサイトは多くないと、Chizen氏は語っている。
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