Microsoftは、使われないまま1時間が経過したPCを強制的にスリープ状態にする機能を「Windows Vista」に搭載する計画だ。この設定は企業ユーザーでも個人ユーザーでも変更可能だが、PCを眠らせるほうが賢明だとMicrosoftは言う。
Microsoftの試算によれば、仕事をしていないときのPCをスリープ状態にすると、モニタの種類にもよるが、1日中電源を入れたままにする場合に比べ、年間で55ドルから70ドルの節約になるという。
Microsoftは、PCをこれまでより簡単にリセットできる機能を、リリース間近のVistaに搭載する取り組みを続けてきた。「Windows XP」では、ユーザーがPCをスリープ状態にする操作をしても、プログラム側がその要求を拒否する場合があった。そのため、ノートPCをスリープ状態にしたつもりのユーザーが、数時間後に電源が入ったままだと気づいたときには、もうバッテリがなくなっているという事態も起きた。
しかし、Microsoftでは、むしろデスクトップPCのほうにより大きな効果がもたらされると期待している。現在、多くの企業で夜間にPCの電源が入れっぱなしになっている。セキュリティのパッチが確実にインストールされるように、わざと電源を入れっぱなしにしている企業もある。
新しいスリープ機能を導入すれば、企業はセキュリティのアップデートを行うときだけPCの電源が入るようにして、それ以外のときには省電力状態のままにしておくことができる。
また、Vistaを使用する企業は、グループポリシーによって電源管理設定を強制的に適用させることが可能になる。これにより、たとえば、使われなくなってから15分が経過したPCの画面を強制的に消すといった設定ができる。XPにはこのような機能は搭載されていないが、Verdiemなどいくつかのサードパーティーから、同様の機能をもつアドオンが提供されている。
PCをスリープ状態にしておけば、環境にもよい効果がもたらされる。Microsoftによれば、6台のPCをスリープ状態にすると、電源を入れたままにしておく場合に比べ、企業は炭酸ガスの排出を、1エーカー(約4047平方m)の森林が吸収するのと同じ量だけ抑えることができるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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