Novellは、SUSE Linuxでデフォルトで使用されるファイルシステムソフトウェアを変更する。
Novellは米国時間10月12日、SUSE Linux Enterpriseの新版のデフォルトファイルシステムとしてext3を採用すると発表した。ファイルシステムは、ハードディスクへのデータ記録方法を管理する重要な基本ソフトだ。この変更により、現在のデフォルトであるReiserFSは、今後もサポートはされるものの、二次的なオプションとなる。
これまでReiserFSは、プログラマーのHans Reiser氏の管理下にあったが、そのReiser氏が今週、別居中の妻を殺害した容疑で逮捕された。もっとも、NovellはReiser氏が逮捕される前から、ext3への変更を検討していた。
Novellは声明で、「顧客の要望に応え、(SUSE Linux Enterpriseの)次バージョンのデフォルトファイルシステムをReiserFS 3からext3に変更する」と述べた上で、「Novellは今後も、ReiserFS 3のサポートや性能強化を継続する」と付け加えた。
Reiser氏は、Reiser4と呼ばれるReiserFSのバージョン4への移行を推進してきたが、Reiser4はLinuxカーネルに含まれていないため、SUSEはバージョン3を使用し続けていた。Reiser氏の企業であるNamesysは、ReiserFSのサポート料を徴収している。
Novellのエンジニアらは、ここしばらくの間、どのファイルシステムを選択すべきか検討を重ねてきた。
SUSE LabsのJeff Mahoney氏は9月に書いた手紙の中で、「(ReiserFSには)多くの問題がある。中には純粋に技術的な問題もあれば、保守との関連性の高い問題もある」と述べている。また同氏は、「ReiserFSの開発コミュニティは小規模な上に、縮小傾向にある」として、大型サーバを運用する上での複数の問題点を指摘した。また同氏によると、Reiser氏はバージョン4を推しているが、バージョン4は依然安定性に欠けるという。それに対し、ext3は安定性があり、現時点ではReiserFSが優位にある性能面でも「すぐに」ReiserFSに追いつくとしている。
ReiserファイルシステムのプログラマーであるAlexander Lyamin氏は11日、Linuxカーネルに関するメーリングリストに投稿し、その中で、(Reiser氏の)逮捕で開発グループは混乱しているが、reiser4プロジェクトは継続すると語った。
「(Reiser氏の逮捕を)想定していなかったわけではないが、今われわれは、やや動揺し、ストレスを感じている」(Lyamin氏)
Lyamin 氏によると、ReiserFS 3.6については、主にバグ修正のアップデートしか行っていないが、reiser4に関しては、依然として「大量のパッチを配布し、様々な問題を修正しており、概ね問題を一掃できている」という。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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