世界最大のネットワーク関連機器メーカーCisco Systemsは米国時間10月5日、1億ドルを投じるブランド認知度向上キャンペーンをスタートさせた。
Microsoft、Apple Computer、あるいはIntelなどと異なり、大半の人にとってCiscoはほとんど無名の存在だ。2005年には285億ドルの売上高を計上し、インターネット上のトラフィックが流れる機器の大半を製造しているにもかかわらずだ。
Ciscoの最高マーケティング責任者(CMO)、Sue Bostrom氏は、「一般的な認知度向上を目指している。調査を実施したところ、知名度で同業他社に劣っていたことが判明した」と語る。
自社ロゴも刷新する今回のキャンペーンは、雑誌や新聞、そしてテレビ、ウェブサイト、携帯電話など各種メディアで展開される。しかし、本質的にCiscoの製品ラインアップを強調することはしない。代わりに、同社がうたう「Human Network(ヒューマンネットワーク)」を通じて人々を結びつけるという役割に焦点を当てる。
今回の広告キャンペーンはこれまでと異なり、同社製品の購入を企業で実際に判断している層をターゲットにしていない。このような層に属する人たちは既にCiscoを認知している。そのため、製品購入層ではないが、一般での認知度を向上することを、同社では目指している(Ciscoには、小売店で直接消費者向けに販売されるLinksysという別ブランドがある)。
Bostrom氏は、IP電話、Wi-Fi電話、そしてユニファイドコミュニケーションソフトウェアといったCiscoの法人向け製品が、企業のIT部門経由で家庭にも進出しつつあると述べる。同氏はまた、個人で多くのガジェットを購入する層が企業の購買判断に大きな影響を与えている、とも考えている。
Bostrom氏は、「職場で使う技術が日常生活にも浸透しつつある。そして、これまで企業が下していた技術判断が、今ではエンドユーザーの要求で決まるようになってきた。職場の技術判断を推進しているのはエンドユーザーだ」と語っている。
自社ロゴの変更は、顧客企業においてCisco製品が一般社員の目に触れる機会が増えてきたことと関連する。これまで同社のルータやスイッチは目立たない場所に置かれ、IT部門以外の社員が目にする機会はほとんどなかった。しかし今では、同社のIP電話やソフトウェアが職場の机の上に置かれるようになっている。
「前のロゴは分かりにくい。新しいロゴの方がシンプルでピクセルの数も少ないため、ユニファイドコミュニケーションの画面や携帯型ワイヤレスデバイスといったエンドユーザー向けデバイス上でも見分けやすい」とBostrom氏は語っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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