Sun Microsystemsが、より斬新な「Niagara」チップファミリーなどの代替製品を優先し、ローエンドのUltraSPARC IIIi+(開発コード名「Serrano」)プロセッサの製造を中止した。
Sunはこれまで、同社が9月13日に開催するイベントで発表される可能性の高い「V215」、「V245」、そして「V445」の3台のサーバにこのUltraSPARC IIIi+ チップを搭載する計画だった。しかし、Sunのシステム担当エグゼクティブバイスプレジデントJohn Fowler氏が米国時間8月30日にインタビューに答え、同社が同チップの搭載を取りやめたことを明らかにしていた。
同氏は、「われわれは、UltraSPARC IV+、Niagara、そしてNiagara 2の投入に重点を置くため、同チップの製造は前年度で中止した」とし、大量販売するローエンドマシンに言及して、「売れ筋モデル向けにはNiagara 2に力を入れる」と語った。
Sunがチップの優先度に関して現実的判断を下したのは今回が初めてではない。同社は2004年にも、SPARC64プロセッサを利用できる富士通との提携を優先し、UltraSPARC V(開発コード名「Millennium」)チップの製造を中止している。また、これと同時に、ローエンドのデュアルコアUltraSPARC IIをベースにしたGeminiデザインも製造を取りやめた。
UltraSPARC IIIi+とその前のIIIi(開発コード名「Jalapeno」)の差は、主に内蔵キャッシュメモリを1Mバイトから4Mバイトに拡張する高度な製造プロセスにある。しかし、Fowler氏は新チップのパフォーマンスについて、「スピード的にたいしたことがなかった」と述べている。
Niagaraは正式にはUltraSPARC T1と呼ばれ、スレッドと呼ばれる命令シーケンスをそれぞれが4つ同時に処理可能なコアを8基搭載した異例のデザインとなっている。Sunはこのデザインを利用することで、サーバ市場の革新ベンダーとしての自社の名声を取り戻そうとしている。
一方で、Sunの既存プロセッサの大半は、ほかのUltraSPARCモデルも含めてわずか1〜2基のコアしか利用せず、1つあるいは2つのスレッドしか実行できないが、各スレッドをより高速に処理できる。SunのUltraSPARC IIIiとIIIi+の両チップは、スレッドを1つしか実行できないシングルコアモデルだった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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