シンガポールでは2006年内に国全域をカバーするWi-Fi網を構築する予定だ。
ワイヤレス接続サービスプロバイダーのSingTelでエグゼクティブバイスプレジデントを務めるBill Chang氏は、先ごろ行われたインタビューの中で、シンガポール政府は国家IT計画「Intelligent Nation 2015」の一環として、今後数カ月以内に国全域をカバーするWi-Fi網を構築する予定であると語った。
同氏は、「2006年末までには、シンガポール全体が一大アクセスポイントと化すだろう」と述べている。
シンガポールでは、それに向けてすでに順調な滑り出しを見せている。Intelligent Nation 2015プログラムの開始とともに発表されたシンガポール政府の公式報告書によれば、シンガポールでは、2005年末時点ですでに1平方キロメートルごとに公衆アクセスポイントが設置されているという。Iintelligent Nationに関する同報告書には、アクセスポイント間の通信は、今後メッシュネットワーク技術によってさらに補強される予定であるとも記載されている。また、Chang氏によれば、シンガポールでは2006年末までに商用としてWiMAXの導入も予定しているという。WiMAXは、無線通信の標準規格の1つで、Wi-Fiよりも長い距離間で通信を行うことが可能だ。
Intelligent Nationプログラムは、2005年にシンガポール政府が発表した施策で、今後10年間でシンガポールを通信技術分野の全世界的なリーダーへと成長させることを目指すものだ。シンガポールは、インドや中国などのように、自国内に大規模な市場や製造基盤、安価な土地を有していない。そこで同国政府が目をつけたのが、現在韓国やイスラエルが行っているように、巨額な知的財産収入の見込める産業により力を入れることだった。同プログラムは、シンガポール政府によるさまざまな補助金や奨励金によって支えられている。
同プログラムに含まれるその他の施策には、国民の健康記録の電子化、国の全住宅の90%以上へのブロードバンド接続の普及、多国籍スタッフの採用によるシンガポール国内でのアジア市場向けコールセンターの設置、およびシンガポール独自技術の輸出拡大などがあげられる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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