Intelは米国時間8月9日、Linuxで完全な3Dグラフィックスをサポートし、ATI TechnologiesやNvidiaなどのライバルに対して自社を優位に立たせるオープンソースソフトウェアをリリースした。
Linuxは、3Dモデルを構築する機械関係のエンジニアや、しゃれた新しいユーザーインターフェースを集めるマニア向けグラフィックスアクセラレーションのハードウェア対応を、プロプライエタリなドライバソフトウェアに頼っている。グラフィックチップは、ビデオゲームの戦車や事故シミュレーションの車などの3Dオブジェクトを、ハードウェアを利用して高速表示している。
しかし、プロプライエタリなアプローチには倫理的、法的、そして現実的な問題が絡むため、Intelは、自社製品を顧客に利用してもらう手段の1つとしてオープンソースを考えている。対象には、第4世代統合グラフィックスのデビューを飾る「965 Express」チップセットも含まれる。
IntelのOpen Source Technology Centerに所属する主任科学技術者Dirk Hohndel氏は、「オープンソースドライバの存在はこの市場で大きな利点になる」と述べている。新しいウェブサイトから入手可能な同ソフトウェアは、既に関連オープンソースプロジェクトに統合されていると、同氏は語っている。
この処置は、オープンソース分野における技術、法律、社会そしてビジネス的な欲求がそれぞれ興味深く融合し、反映された結果だ。協調プログラミング活動に参加することで、Intelは社外のプログラマやオープンソースファンとの関係を構築するが、同時に、一部ソフトウェアに対する権限も放棄することになり、ソフトウェア関連で機密を維持できない情報もいくつか出てくる。
今回の動きにおいて政治的に重要なのが、Free Software Foundation(FSF)がIntelの動きを歓迎している点だ。
同財団の顧問弁護士で、Linuxカーネルに適用されるGNU General Public License(GPL)の改訂を進めるEben Moglen氏は、「これは、業界が進化するための重要なステップだ。機密保持を断念してフリーOSとの互換性向上を目指したIntelの行動は、競争に対する新しい姿勢を示す兆候だ」と述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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