Microsoftが、IntelベースMac用「Virtual PC」の開発を中止する。
この動きは、新興企業のParallelsがMacでWindowsを動かす独自の仮想化ソフトウェアを発表したほか、VMwareがMac仮想化ソフトウェアのベータ版を2006年中に投入する計画を米国時間8月7日に明らかにしたことを受けたものだ。
また、依然としてベータ版ながら、AppleにもBoot Campソフトウェアがある。ただし、Boot CampではIntelベースのMac上でWindowsかMac OSのいずれか一方は動かせるが、両方同時に動かすことはできない。
Microsoftは7日に声明を出し、「Universal版Virtual PCの開発については現時点では開発しないことに決定した」と述べている。
Microsoftは、2003年にConnectixのVirtual PCとVirtual Server製品を買収し、その一環としてVirtual PC for the Macシリーズも取得した。同社は現在もWindows仮想化製品を提供しているが、デスクトップ版のVirtual PC for Windowsは無償でダウンロードできるようにしている。
Microsoftによると、仮想化ソフトウェアはOSとの結びつきが深いため、Virtual PCをIntelベースのMacに移植するのは「新たにバージョン1.0を開発するのと同じ負担がかかる」という。
Microsoftは、「(Macintosh事業部では)IntelベースのMacでも、顧客がWindowsアプリケーションを使う必要があることは認識しているが、Appleなどのベンダー各社が提供する各種代替ソリューションと、市販のWindowsのフルパッケージを組み合わせれば、そのニーズを満たせるものと確信している」と述べている。
Microsoftでは、IntelベースMacへのOfficeの移植作業が進んでいる。同社は、既に多くのコードの移植が完了していることを明らかにしたが、同製品の出荷時期については明かさなかった。ただし、2007年登場予定のOffice 2007 for Windowsが採用する新しいXMLフォーマットを、現行バージョンのOffice for Macで読み込むためのコンバータについては、これを無償で提供することを明言している。
同社によると、次期バージョンのMac版Officeは、Visual Basicスクリプト言語をサポートしないという。ただしこれに代わり、AppleScriptやAutomatorなどのMac用スクリプト言語のサポートを改善するという。
Microsoft初となるIntel Mac用ネイティブソフトウェアは、2006年中にリリースされる「Messenger 6.0」になる予定だ。これを使うと、Macでインスタントメッセージング(IM)ソフトウェアを利用するユーザーが、Yahoo Messengerと会話できるようになる。この機能はWindows Live Messengerには追加されているが、現在のところ、MicrosoftのMac用IMユーザーにはオプションとして提供されていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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